2月27日、James空軍長官とWelsh空軍参謀総長が下院の予算小委員会に出席し、対IS作戦における米空軍等の活動状況や、作戦全体に占める空軍の重要性について語りました
特にISR要求が急増しており、米空軍全体の資源配分をどうするかに遡っての議論になりつつある様です
断片的な内容ですが、対IS作戦は色々と話題になりそうですので、基礎情報としてご紹介します
2日付米空軍協会web記事によれば
ISR要求急増で資源配分の悩み:ISRか戦闘機か
●James空軍長官とWelsh空軍参謀総長は下院小委員会で、前線戦闘コマンド司令官からのISR要求の急増を受け、ISR以外から必要な経費を流用し、ISR分野に投入していると発言した
●James 長官は「ISR要求はどんどん伸び続けており、対IS作戦(OIR:Operation Inherent Resolve)だけでも、米空軍は1700もの仕掛け爆弾等を発見し、22もの重要人物を特定処理し、そのために約1800万の画像を提供して生きた」と説明した
●空軍参謀総長は、このISR需要急増により、7年前に戦闘機飛行隊10個を閉鎖してISRに資源を再配分したような、優先度の再検討を迫られていると語った
●同大将は「戦闘機飛行隊の必要数を巡る議論の一環だが、必要な資源を確保するため、その領域に踏み込まざるを得ない」とし、「前線指揮官がISR要求が重要だと言ってきたら、ISRか戦闘機か、どちらにより投資すべきか問い返している」、「それだけ切実な状況に直面している」とも述べた
対IS作戦での空軍の活躍
●昨年8月から開始している対IS作戦(OIR)の航空作戦で、これまで約1100億円の戦費がかかっている。米空軍は航空攻撃の6~7割分を担当しており、ISR分野では9割を担っている
●15カ国がOIRの航空作戦に参画しており、総機数600機のうち、米空軍機は約300機である(以上はJames空軍長官)
●Welsh空軍参謀総長は、他国の航空機は全体として25~30%の戦闘任務を担っており、エリアによりその比率は異なると付け加えた。また、米軍と他国の航空戦力の作戦調整は、極めて円滑に進められているとも述べた。
●更に同大将は、IS勢力は我が航空戦力を恐れ、分散して防御陣地に隠遁している状況にあると現状を描写した
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「ISRか戦闘機か、どちらにより投資すべきか問い返している」、「それだけ切実な状況に直面」しているのは米空軍だけではなく、我が空軍もそうだと思います。
単にISRか戦闘機だけではなく、サイバーも空中給油も電子戦も、各種インフラの脆弱性対策も搭載兵器も、防空ミサイルも弾の備蓄も・・。戦闘機だけに実質投資していることへの問題認識が我が国には不足しています