台湾が国産潜水艦に向け始動!?

Taiwan Sub.jpg10日、台湾の副国防大臣が台湾議会で、2024年までに自国建造の潜水艦を完成させることが出来ると発言した事を受け、16日付Defense-Newsが解説記事を掲載しました
台湾は、米国によるディーゼル推進潜水艦8隻を売却するとの2001年の約束履行をずーーーっと待っているのですが、米中関係もあり、また米国内では原子力潜水艦しか建造していないこともあり、ずーーーっと「宙ぶらりん状態」に置かれています
記事は匿名の台湾海軍関係者の発言を主に構成されていますが、関係する実際の動きもあるようで、是非日本も協力したいものです。
16日付Defense-Newsによれば
US-Taiwan.jpg●台湾海軍の上級幹部は、台湾に米国が通常型潜水艦8隻を売却する約束履行を待たずに、自国による潜水艦建造に着手する計画を持っていると語った
台湾海軍は既にIDS(Indigenous Defense Submarine)計画を開始しており、米国がこれ以上前進しなくても、米国企業がIDSに参加することはできると同幹部は語った
2013年以降、台湾はIDS計画に関する検討会(セミナー)を3回開催しており、2013年9月の1回目はアカデミックな(戦略的な議論?)分野、2014年6月は技術的な分野、更に11月には事業管理に関する分野で話し合いが行われてきた
●3回のセミナー全てに参加したのは、豪州、米国、イタリア、フランスと国名非公開の欧州2ヶ国で、11月の検討会時には台湾の造船産業を訪問し、どのような分野で支援が可能かを確認する機会となった
●中国の反応が懸念されるが、台湾海軍高官は「海外企業は本事業への関心が高く、台湾による潜水艦建造には多くの国際的支援がある」と語っている
●海軍関連調査機関のAMI代表Guy Stitt氏は、「米国は(米中関係への影響も気にするだろうが)、台湾国内に多数存在する中国スパイへの技術流出を懸念しているだろう。中国によるスパイ事案が多発しているからだ」とコメントしている
Taiwan-794.jpg●一方でGuy Stitt氏は「韓国や日本は、最近中国の海洋進出等に警戒感を強めており、部品の提供など何らかの形で台湾の取り組みを支援する可能性があるのではと考えている」とし、更に「インドはより台湾に同情を感じるのでは」と語った
台湾産業界には潜水艦建造技術者や経験が不足しており、パートナーがIDSの成功には不可欠との見方が一般的、と別の専門家も述べている
台湾は旧式だがオランダ製の2500トン級潜水艦2隻を保有し、設計ライセンスも所有していることから、この潜水艦を原型にIDSを進めるとの見方と、現在世界で一般的な通常型潜水艦である1500トンクラスを追求するとの見方がある
●台湾海軍幹部はIDSの予算規模を明らかにしなかったが、1番艦をプロトタイプとして建造し、2番艦で試験航海を行い、その後予算状況により2隻から4隻を追加する腹案を持っていると語った
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
台湾が置かれている厳しい軍事環境を考えると、このような地道な取り組みに「背筋の伸びる」思いですが、IDSの実現可能性はいかほどでしょうか?
TaiwanCulture.jpg台湾を支援すると決めた企業は、無数の嫌がらせや悪い風評の流布、果てしないサイバー攻撃等々、中国からどのような仕打ちを受けるのでしょうか・・・。考えただけでも腰が引けます
こんなことを言っては、最後の砦として踏ん張る台湾軍の皆さんに失礼ですね。反省
台湾関連の記事
「10年不履行:台湾への潜水艦売却」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-28
「潜水艦用のハプーン受領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-08-1
「悲劇:台湾F-16改修はどこへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-09
その他の台湾関連記事
「台湾が兵士2割削減へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-22
「親中の国民党が大敗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-09
「台湾の防空ミサイル投資」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-01
「中国空母対処の台湾演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-26-1
「台湾の巨大な中国監視レーダー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28

タイトルとURLをコピーしました