米海軍情報部長が1年も情報から隔離状態

驚き、桃の木、山椒の木
米海軍の情報intelligence部門のトップである中将（情報部長）が、昨年11月に発覚した米海軍史上最大の汚職スキャンダル関連で、1年間も重要情報に接する「資格剥奪」状態にあり、情報を知らない「米海軍情報部門のトップ」状態が続いているようです。
おまけに、数名いる情報副部長の一人（少将）も同じ状態に置かれているとのこと。南及び東シナ海、中東、ウクライナ、北極海と、情報分析で多忙なはずのキーパーソンが、開店休業状態だとか。
3日付Defense-News記事によれば
●米海軍情報部長（director of naval intelligence）のTed Branch中将は、外国資本の港湾業務委託会社に関連する収賄罪の捜査の対象になっていることから、機微な情報へのクリアランスを昨年11月から喪失した状態で同職に付いている。海軍の情報分析部門のトップが、情報へのアクセスを制限される異常な事態が続いている
●会議で「classified」な情報が議論される場合は同中将は退室し、同中将が部下の部屋を訪れる際は、部下が「classified」な関連資料を隠さなければならない。
●国家情報長官（DNI）との会議にも参加できず、各情報機関の代表との意見交換の場にも海軍の代表として参加できない状態であり、海軍情報関係者はイライラを募らせている。
●更に悪いことには、同中将の副部長で情報作戦課長あるBruce Loveless少将も、同じ嫌疑で情報へのアクセスを制限されているのだ
●しかし海軍の首脳達も、同中将が罰せられるのか無罪放免されるのかを全く予測できないでいる
●司法省はGDMAへの捜査が続いておりコメントできないとの対応で、また、米海軍高官はなぜ同中将を判断が出るまで配置換え（その際は少将に一時降格）しないのかに関してもコメントを避けた
●米海軍報道官は、「両名は制約の範囲内でそれぞれの職務を果たしておいる。アクセス制限解除は司法省と海軍捜査局により保留されている」と声明を発している
●嫌疑が発生してから1年経過するが、数週間以内に司法省が判断を下すとの海軍関係者の情報もあるが、両名に対する判断が何時出るかを示す確たる情報はない。
疑惑の発端はシンガポールの港湾業者GDMA
●二人の米海軍首脳が疑われているのは、シンガポールが拠点の港湾業務委託会社「Glenn Defense Marine Asia：GDMA」による海軍幹部への贈収賄事件である
●米海軍史上最大の疑惑と言われる本件では、GDMA社長の「ふとっちょフランシス」ことLeonard Glenn Francisが、米海軍の業務請負費を水増ししていることを隠すため、海軍幹部に旅行、女性、コンサートチケット等々を提供して便宜を図らせたとの疑いが掛けられている
●同中将は、2004年から07年の間に空母Nimitzの指揮官として勤務し、一度マレーシア、香港、グアムに寄港し、GDMA社の世話になっている。しかし海軍関係者は、司法当局は同中将と別の幹部を混同して疑っているのではと語っている
●海軍情報関係者は両名のアクセス制限を早期に解除すべきだと考えているが、そのような動きは政治的に危険であり、海軍上層部の承認が必要だろう
●捜査当局は、GDMAのFrancis社長は贈答品の見返りに艦艇のスケジュール知りたがったり、自分の息の掛かった港に運行経路を変更させるような要求をしていたと見ている
●海軍関係者は、同中将が情報を漏洩した罪に問われているわけではなく、単にギフトを受け取った疑いが掛けられている
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週刊誌のネタのような話で恐縮です。
しかし、米海軍の情報分野トップが1年間も情報にアクセスできない状況で、当面の業務を優先するため海軍が代理を立てない当たりが、「海軍の頑なな性質」を表しているような気がします
アジアで米海軍と言えば、フィリピン情勢が深刻
●4日フィリピン外務省の報道官は、今月スービック港に入港予定だった3隻の米艦艇が入港を中止したと明らかにした。報道官は「作戦面の理由で入港を中止した」と説明し、米海兵隊員による比女性殺害事件（捜査中）との関係はないと語った
●一方、スービック港管理局長は、年内に予定されていた計9隻の米艦艇寄港がキャンセルになり、緊急修理を要する2隻については入港予定に変更はないと述べた。しかし、当該2隻の乗員は上陸を許可されない模様だと付け加えた
●当地の米国大使館は、本件に関しノーコメントである
●容疑者の米海兵隊Joseph Scott Pemberton1等水兵は、フィリピン軍司令部に拘置されている
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フィリピンの情勢が気になります。
米比軍事合意への反対運動の背後に、中国の陰（金やエージェントの暗躍等）が見え隠れするような気がしますが・・・
「殺人事件で米比関係が悪化！」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-10-16