27日付Defense-Newsブログ「Intercept」は、ハイテクで支えられているとの印象を持っていた無人偵察攻撃機MQ-1 PredatorやMQ-9 Reaperが、最も難しいと考えられる離発着の際に、極めて原始的な機体に装着された「馬の毛吹き流し」を頼りにしているとの驚きのレポートをしています
既にご存じの方もいらっしゃるのでしょうが、まんぐーすは初耳でした。
「馬の毛吹き流し」を高度なセンサーに使用しているわけではなく、「吹き流し」をカメラで撮影し、地上の遠隔操縦者が横風をより身近に感じられるようにして安全な離着陸に活用しているとのこと。
27日付ブログ「Intercept」によれば
●無人機操縦訓練のメッカである「Holloman空軍基地」を訪問取材した記者は、ハイテクに支えられていると思っていた無人機の飛行が、原始的な「馬の毛」に頼っていることを知り、少なからず驚いた
●一端離陸して作戦地域に到達した無人機MQ-1や9は、「Ku周波数帯」の電波でコントロールされるため、米本土からの操縦では「約2秒間」の操作時差が生じる。しかし長時間在空して任務を行う偵察機にとって、その時差は大きな問題ではない
●しかし離陸や着陸の際にはその時差は許容できないため、時差のない「C周波数帯」を用い、離着陸飛行場近くから遠隔操作する
●ただしそれだけでは離着陸の困難さは依然克服できない。離着陸の際の機体の微妙な揺れや風による影響など、有人機操縦者がコックピットで感じる機体の動きで操縦を微修正するようなタッチが必要なのだ
●そこで登場したのが、機体の先端に取り付けられたピトー管から下方に生えるように取り付けられた「馬の毛吹き流し」である。
●写真のように機体先端のカメラが、「馬の毛吹き流し」を含む機体前方の様子を遠隔操縦者に提供し、操縦者は「風」や「横揺れ」を感じながら安全に離着陸を行うのだ
●機体の整備員は、「馬の毛吹き流し」に細心の注意を払う必要がある。なぜなら、飛行場に駐機していると、鳥の巣の材料にするため、周辺の鳥がこの「馬の毛吹き流し」を奪いに来るからだ。
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RQ-4グローバルホークは、離着陸も自動で可能とか聞いたような聞いたような気がしますが、中型の無人機MQ-1や9となると、離発着は職人技が必要なのですねぇ・・・
無人機は、その名称から無人で運用可能であるかのような印象を与えがちですが、運用、整備、センサー運用、収集情報分析、通信系維持等々、相当な人的支えを必要とするアセットです。
その点は頭に置いておく必要があります