9月29日付Defense-Newsは、今後建造される海上自衛隊の「そうりゅう型」潜水艦がAIP(無吸気推進システム)搭載を止め、この補完に従来の鉛蓄電池からリチウムイオン電池に切り替える大胆な決断を行ったとトップニュースで伝えています
日本は現在6隻の「そうりゅう型」潜水艦を保有しており、更にあと4隻建造する予定ですが、その4隻がリチウムイオン電池を搭載して通常型潜水艦に新たな歴史を刻む模様です。
同記事は、リチウムイオン電池がB-787型機で火災を起こした未だリスクを伴う製品である点に懸念を示しつつも、成功すれば日本の潜水艦が国際マーケットで大きな注目を集めるだろうと表現しています
9月29日付Defense-Newsによれば
●海上自衛隊のコジマ・ヤスシ報道官は、今後建造予定の「そうりゅう型」潜水艦4隻に、AIPエンジンに代わってリチウムイオン電池を搭載すると発表した
●同潜水艦は現在、ディーゼルエンジンとAIPエンジンと鉛蓄電池を搭載しているが、今後はディーゼルエンジンとリチウムイオン電池での運行を目指す
●リチウムイオン電池を搭載することで、ディーゼルエンジン推進で無い場合(連続潜行状態やシュノーケルを出して敵に発見されたく無い場合や消音行動の場合)でも、従来よりより大きなパワーを得ることが出来る
●またリチウムイオン電池は従来の鉛蓄電池に比し、格段に維持整備コストが安く済む。
●AIPシステムが研究された1990年代初頭は、まだ燃料電池やリチウムイオン電池が十分成熟しておらず、電池のオプションが成立し得なかった経緯がある。
●しかしAIPシステムでは水中で数ノットしか速度が出せず、整備にも手間ががかるため、電池の改良が待たれていた
●ただし、「そうりゅう型」潜水艦が搭載予定のリチウムイオン電池が、B-787で問題を起こしている「GS Yuasa Battery」製造の電池だと聞いて、不安を持つものもいる
●多重的な安全措置の開発がリチウムイオン電池には必要で、同電池の各所をモニターしておく必要もあると指摘する専門家もいる
●「そうりゅう型」潜水艦に興味を示しているといわれる豪州政府高官はDefense-Newsに対し、リチウムイオン電池への転換を承知していると語り、依然として日本の潜水艦建造技術に注目していると述べている
●今年7月、日豪の「2+2」協議が行われ、両国は潜水艦関連技術の共同開発に合意している
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先日ご紹介したように、豪州は現有潜水艦の後継を検討中で、「そうりゅう型」潜水艦の購入や一部部品活用やライセンス生産等のオプションを真剣に検討していると報じられています。
いずれにしても、日本の先端技術が世界に注目されることは嬉しいことです!!!
「豪州がそうりゅう潜水艦購入か」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-03