7日付Defense-News記事が、中国海軍研究所の研究員である大佐の研究を元に、中国空母「遼寧」に艦載されるであろう航空機とヘリの種類と機数について紹介しています
もちろん公式発表ではないのでしょうが、空母の能力や中国保有の候補機から考えると「plausible:最もあり得そうな」組み合わせだと記事は分析しています
記事の結論からすると、艦載が予想される戦闘機や対戦哨戒機や救難機が、全て外国製のコピー版になるところが中国らしいところです
7日付Defense-News記事によれば
●8月28日付中国語紙「Shanghai Morning Post」は、中国海軍研究所のCao Dongwei上級大佐の分析を元に、空母遼寧が36機の航空機やヘリを搭載する事になると紹介している
●中国紙の予想についてAtlantic CouncilのRoger Cliff上級研究員は、「ロシア軍の考え方に似た戦闘機とヘリの組み合わせで、あり得そうな予想だ」と述べ、更に「驚くべき点は、空母自体がロシア製の改造品である上、ヘリはEurocopterデザインを真似、艦載戦闘機J-15もロシアのSu-33に原型がある事である」と語った
●他シンクタンクのRichard Fisher研究員は「ロシア軍の思想に似た組み合わせで、露が戦略原潜を守るために攻撃原潜や水上艦艇や爆撃機で構築した防御網を空母で延伸したようなイメージで、遼寧に任務を期待しているのではないか」と見ている
●一方でFisher研究員や中国海軍関連の著書があるJames Bussert氏は、遼寧の問題として、長距離のレーダーや対潜水艦作戦用の固定翼機が欠けている点を指摘している。また米海軍空母が艦載するC-2のような輸送機が無いことも、兵站上の制約になると見ている
●Fisher研究員は、将来の中国空母がより大型で、カタパルト発進装置により重要の重い固定翼機を運用できるようになれば、欠点は解決されるだろうと述べている
●ただ現状の遼寧でも、南シナ海における中国の海洋支配拡大を支援できるし、ベトナムやフィリピン海軍からの攻撃を抑止する事が出来るだろうし、比に展開する米海軍への対応を補強するだろうとFisher研究員は見ている
中国語紙「Shanghai Morning Post」予想の36機とは
●24機のJ-15戦闘機
ロシアのSu-33のコピー機
●2機のZ-9C救難ヘリ
—Z-9ヘリシリーズは、Eurocopter SA365/AS365 Dauphin 2をベースに、ハルピンの中国企業が製造
—「C型」は救難型で海面監視レーダーを備える。対潜哨戒型もあり、つり下げ型のソナーも使用可能である
●6機のZ-18F対潜ヘリ
—Z-18はZ-8の派生型で、Z-8はAerospatiale SA-321 Super Frelonのコピーである。
—一般報道によれば、Z-18Fは8本のソノブイ発射管を備え、Yu-7K対潜水艦魚雷や YJ-91対艦巡航ミサイルを搭載可能である。ただし1発600kgのYJ-91が本当に搭載可能かは疑問である
●4機のZ-18J早期警戒監視ヘリ
—Z-18の早期警戒機バージョン
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最近、米国防省のwebサイトは、ウクライナやISIS(ISIL)対処のことで埋め尽くされており、アジア太平洋に関する国防省としての発信が極端に減少しています。
そんな中でも、軍事情報サイトはアジア太平洋への関心を「なんとか」維持しています。もちろん、ウクライナやISIS対処については取材のしようがなく、記事のネタが不足しているのでしょうが。