17日、米海軍は空母艦載無人デモ機であるX-47BとFA-18有人戦闘機を空母で並行運用する試験を行っている様子を公開しました
映像(1分50秒)は部分的ですが、ノーフォーク沖を航行中の空母Theodore Roosevelt甲板上で、FA-18とX-47Bが仲良く並んで順序よく発信する様子が納められています
空母艦載無人機の技術確認のため製造されたX-47Bですが、この技術を元にした量産型のUCLASS(無人空母艦載偵察攻撃機)の提案要求書は、残念ながら米国防省内の「無人機派」と「反無人機派」の対立で再検討状態になっています
そんな中ですが、空母運用のノウハウを確立するため、当初計画に追加して試験が継続されているX-47Bです
18日付Defense-Tech記事によれば
●昨年5月と11月に空母からの離発着試験に成功したX-47Bは、現在空母の甲板上で有人機との運用要領を確認試験中である
●17日には、FA-18と共に、空母から離陸し、空母離発着パターンを飛行して着陸し、同じ狭い甲板上で手早くスペースを確保するような機体の移動等を確認している
●この発展的な試験に備え、米海軍の技術者達はX-47Bに若干の改修を行っている。例えば、着陸時に甲板上のワイヤーに引っかける機体のフックを上下動出来るフックや、甲板上を移動中にも翼を折りたためようなプログラム改修で、ともに着陸後に速やかな機体移動を可能にする改修である。
●また空母側でも、甲板上で無人機を誘導するコントロール装置を新たに設置してスムーズな運用に備えている
●これらの結果、17日の試験では、X-47Bの着陸直後にFA-18を着陸させる手順や技術を確認することが出来た
●空母Theodore Rooseveltを利用しての試験は更に数週間継続され、今後は夜間の運用要領も確認する計画である
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派手な空母の運用ですが、このような地道な試験や勤務員の連係動作確認が基礎にあって成立しているわけです。
有人機の空母運用だけでも、米海軍は多くの犠牲者を出していますが、幸いなことに無人機の場合はこれまで犠牲者は出ていません
しかし映像を見ていると、無人機着陸の際も、甲板上の着陸面間近に多くの勤務員の姿が見られ、「危なくないの?」と心配にもなります
事故無く開発が順調に進み、UCLASSにそのエキスが注入されることを切に望みます
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