12日付米空軍webサイト記事が、米空軍士官学校に最近設けられた新しい専攻課程「computer network security」を紹介しています。「Computer Science」学部に設けられた過程で、他にも「サイバー法制や戦略・政策」課程もあるようです
空軍士官学校の専攻課程を整理統合して削減する中で新設された模様で、昨年ご紹介した海軍士官学校と同様に、サイバー分野でのリーダー育成への問題意識が感じられます
海空とも卒業生がまだ出ておらず、卒業後の専攻学生の扱いは不明ですが、サイバー関連の取り組みの一つとしてご紹介いたします
12日付米空軍webサイト記事は
●空軍士官学校のComputer Science学部で2014-2015年度を担当するMartin Carlisle博士は、新設の「computer network security」専攻課程を、「学生にサイバードメインを理解させ、米空軍がいかにしてサイバー空間優勢を確立するかを理解させるよう設計されている」と説明した
●更に博士は「空軍士官学校がサイバー職域でも有能な士官を育成することにコミットしている」と述べ、「士官学校全体で専攻課程数削減に取り組む中、サイバー課程の新設はその重要性を示している」と強調した
●教官の少佐は「サイバー兵器には従来の兵器の考え方が通用しない。結果の判定やカウントがサイバー攻撃では難しいからだ。コンピュータシステムへの侵入が武力の使用になるのか? との疑問もある」と課題の難しさを語った
●新設の専攻課程「computer network security」は、既存ソフトの分析技術を教え、士官候補生がウイルスや悪意あるソフトを分析してそのメカニズムを解明できるようにする。ウイルスの機能を知ることで、ウイルスを防御して除去できるようになるからだ。
●「computer forensics:サイバー法医学」を扱うクラスもあり、サイバースパイ行為が発生した際、侵入者が何をどのように知り、証拠を積み上げることにつなげる。
●「strategy, political science and law:戦略・政策」クラスは、敵のサイバー行動を「攻撃」と認定できるかを、サイバー法士官として指揮官に適切な助言が出来ることを狙っている
●新専攻課程には、2年生25名と3年生3人が属している。課程で学ぶ中で、サイバーのどの分野を専門的に深めるかを選択できる。
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海軍士官学校のサイバー課程を紹介した際は、「2016年に初の卒業生が出る予定」でしたが、空軍士官学校も同じタイミングのようです。
士官学校での専攻は、卒業後の軍での仕事とは直接結びつかないのでしょうが(多分)、組織へのインプットから変えていかないと、軍事組織はなかなか変革できません
特に組織のしがらみが強い日本では、このような新参者の脅威は無視されがちです。しかし日本は米国にもまして、対中国脅威の最前線です。米軍がやってるようなことは、少なくとも日本でも考えないと。米国に先んじてやらないと・・・。
海軍士官学校の取り組み
「海軍士官学校にサイバー課程」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-09