26日、米空軍戦闘コマンドACC司令官Mike Hostage大将は米空軍協会主催の朝食会で、F-22後継、決められない政治への不満、強制削減の影響等について語った模様です。
23日に近日中の退役が承認されたHostage大将ですので、少しは「本音めいた話」が含まれているかもしれませんので、断片的な報道ですがご紹介します。
F-22後継は航空機でなくてもよい
●F-22の後継について検討するようにスタッフに指示している。しかし、それが「航空機」だと思い込むなとスタッフには言っている
●言い換えれば、次期戦闘機は航空機でないかもしれないし、スタンドオフ性を持つ装備かもしれないし、現有航空機に搭載する新装備かもしれないからだ
●私は、航空優勢獲得用のシステムが有人機である必要は無いと考えているし、何時の日か、遠方で勤務する地上操作員が現場の状況を完全に掌握し、遠隔操作の無人機で対応することになろうとも考えている。
●6世代システムに搭載されるだろうシステムとしては、エネルギー兵器(レーザー兵器)が想定される。発射弾数に制約がないようなモノだからである
●F-22に関する私の唯一の不満は、機数が少ないことである。同機は敵空域奥深くに侵入できるが、侵入してもミサイル8発で8目標しか攻撃できない
●細部には言及できないが、ベテランの4世代作戦機に搭載するだけで今後数十年活躍できるようにする「amazing technologies」も存在する。これにより我々にとっては安価に、敵の防御に大きなコスト負担を強いることが出来るだろう
2013年強制削減の悲惨な状況
●2013年予算強制削減下で最も悲惨な時には、任務を与えられていない作戦機で、戦闘可能状態の作戦機が米本土全体でわずか8機しか無かった。
●つまり、飛行予算が削減されたため、飛行停止や飛行訓練時間削減となり、緊急時にシリアやイランや北朝鮮に派遣する予備戦力がほぼ皆無だったのだ
●議会に対し、予算の強制削減がどれだけ影響があるかを訴え続けてきたが、強制削減阻止の動きが全く見えてこない。部下には強制削減への備え無ければならなくなるだろうと話している
政治が困難な決断を妨げている
●政治が困難な決断を妨げている。米空軍は予算削減に備え、A-10やU-2全廃の予算案を組んでいるが、その予算案を巡る議論が紛糾している
●米空軍の戦闘部隊は薄く伸びきってしまう。可能ならA-10を維持したいが、予算がないのだ。
●単機能の4世代機はシリアのような戦場でも自由に活動できない。数週間にわたり敵防空網を制圧しないと、A-10を投入できないのだ
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
ベテランの4世代作戦機を蘇らせるような「驚くべき技術:amazing technologies」とは何でしょうか?
米海軍でも、FA-18をA2AD環境下で活躍可能にする技術が存在するような話が出ていましたので、これとの関係も気になります。
●Manazir海軍少将は「FA-18の侵攻能力に疑問を持つ者もいるが、それは正しくない。同機が搭載兵器の有効射程距離まで進出できるよう、ボーイング社と米海軍は機体に必要な措置を施している」と説明した
→「米海軍のNIFC-CAとは」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-26
6世代戦闘機の関連記事
「Hostage司令官の講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-03
「空軍長官:考える余裕はない」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-21-1