あと25年:米海軍がトライデントSLBM延命へ

Benedict-Sub-ORP.jpg7日、米海軍協会の展示会で、米海軍の戦略システム部長であるTerry Benedict中将が、25年間使用しているオハイオ級戦略原潜SSBN搭載のSLBMである「Trident II D5」を、更に少なくとも25年延命する計画だと語りました。
同ミサイルをオハイオ級の後継艦ORPでも活用し、英国のバンガード級SSBNとも共有することを念頭に、延命と多少の改良が進められる模様です。
7日付Defense-Tech記事は・・・
●全長約13mで重さ6トンの「Trident II D5」ミサイルは、射程約4000nmの潜水艦発射型である。既にオハイオ級SSBNで25年間使用されている。
Trident-II-D5.jpg米海軍のBenedict中将(director of Strategic Systems and Programs)は「オハイオ級SSBNの後継艦ORPにも搭載を考えているので、更に25年間以上の延命を行いたい。ORPは2080年代まで運用されるので、ミサイルもその程度使用できる必要がある」と語った
●同中将は「米海軍は同ミサイルの老朽化した誘導システムの鍵となる電子回路と内部計測装置の更新に取り組んでいる」、更に「米海軍は併せて、核弾頭を大気圏再突入の際に守るMk-4再突入体の近代化改修と起爆装置の回路改修も行っている」と説明した
●また「米海軍は空軍と協力し、2019年に完成を目指してMk-5再突入体の開発を進めている」と付け加えた
●2010年に米露間で締結された新START条約では、約7割の核弾頭は潜水艦に搭載されることになっている。1発約30億円のトライデントSLBMが、今後もその一翼を担うことになる
英国のVanguard戦略ミサイル原潜も同ミサイルを搭載しており、共通部品の開発に協力して当たっている。
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米空軍のICBMや戦略爆撃機部隊では「不祥事」が頻発しており、国防長官直属の特別調査チームが編成されて改革に向けた努力が続いています。
出番が無さそうな任務ですから、気の緩みや規律の弛緩は避けられない、又は士気の維持が極めて困難な部隊で在ることは間違いありません。
SSBN-X.jpg幸い米海軍のSSBN部隊では負の話題は無く、最近女性士官の配属が開始され、またORPの要求概要が明らかになるなど、前向きな話題でにぎわっています
でも本当にそうなのか? 1回の航海が2~3ヶ月で出番が無さそうな任務ですから、空よりもずっとストレスがたまりやすく、問題が起きそうな気がしますが・・・
米空軍核運用部隊の士気崩壊
「国防長官が核部隊の点検指示」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-27
「ICBM部隊が不合格判定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-15
「ICBM部隊で士官17名処分」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-11
「米核運用部隊の暗部」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-29
「米軍核戦力は大丈夫か」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-28-1
「B61核爆弾と突破ISR機の必要性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-27-1
「F-35は戦術核を搭載するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-06
「F-35の核搭載型に遅れ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-08
オハイオ級の後継艦計画ORP
「次期SSBNの要求固まる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-08-2
「オハイオ級SSBNの後継構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-25-1
米潜水艦関連の記事
「攻撃潜水艦SSNの将来」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-28
「バージニア級SSNの内部映像」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-10-1
「米潜水艦への女性配置」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-20

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