米海軍関連の最近の動きを、つまみ食いで2つご紹介
一つは空母艦載無人機を担当する組織の改編話で、もう一つは戦略原潜に配置が始まっている女性士官を攻撃型原潜にも配置するとの発表について。
空母無人艦載機担当の組織改編
●17日、米海軍航空システムコマンドの中のPMA-268計画責任者の交代式が行われた。PMA-268はX-47B、つまりUCAS-D(Unmanned Combat Air System Demonstrator)を担当していた組織である
●また同時に、PMA-268計画室がUCLASS(Unmanned Carrier Launched Airborne Surveillance and Strike)計画室と合併し、新しく海軍システムコマンドのADPO(Advanced Development Program Office)として活動を開始した。ADPO責任者にはBeau Daurte海軍大佐が就任した。
●技術実地にデモ証明する役割を持ったX-47B計画(UCAS-D)のノウハウを、UCLASS計画に円滑に引き継ぐための措置であり、業界関係者からも歓迎されている。
●なお、これまでUCLASS計画責任者だったCharlie Nava氏は、ADPOの副責任者として引き続き計画を支えて行く。
●一方で複数の政府及び産業界関係者によれば、UCSA-Dの成果を受けて本格化するUCLASS計画の方向性に関しては、ペンタゴン内で激しい議論が続いている。
●従来計画通りのA2AD突破型の攻撃偵察機を目指す派と、要求性能を限定して空軍無人機リーパー程度で対テロ作戦や艦艇周辺偵察を担う派の間が対立している模様
「夢しぼむUCLASS」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-21
攻撃型潜水艦にも女性士官2名を
●15日、Mabus海軍長官が発表した声明によれば、大西洋海軍所属のバージニア級攻撃型原潜2隻(VirginiaとMinnesota)に、2015年1月までに女性士官が配置される模様
●女性が配置される潜水艦には、2名の新人士官と1名の指導兵站士官の計3名単位で配属される計画で、第2弾として、2016年中にはハワイの太平洋海軍所属の同型攻撃原潜2隻にも女性士官が配置される予定
●戦略型及び巡航ミサイル型原潜には、計6隻に43名の女性士官が既に配属されていますが、この動きを更に拡大するのが今回の決定。戦略原潜の女性乗員には攻撃原潜での勤務経験を希望するものもいるが、当面は新人を配置する予定
●新型のバージニア級は、従来のロサンゼルス級よりも艦内スペースが確保でき、将来は下士官の配属も考えられる。しかし今回の発表には、下士官の受け入れについて具体的な言及や計画は含まれていない。
「女性24名が潜水艦へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-22
「女性だけの編隊で攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-04
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UCLASS計画の動向が非常に気になります。ウィネフェルド統合参謀副議長(海軍大将)が「要求レベル引き下げ派」の中心らしく、海軍作戦部長らと海軍高級幹部同士の激突状態にある模様です
個人的には「A2AD突破型」の豪華版を見たいのですが、海軍幹部でありながら海軍と激突する統合参謀副議長の「男気」にも強く惹かれます。
米空軍高級幹部にも、F-35Aの調達機数や投資優先度について正面から疑問を呈し、議論を挑む「男気」ある人材の登場が期待されます。もちろん日本でも・・・