今度こそ、陸自の組織防衛を許すまじ!

JGSDF.jpg16日付産経新聞の「防衛オフレコ放談」が、「防衛計画の大綱」改定検討の中で、陸海空自衛隊に防衛省文民官僚を交えた「内紛が勃発」し「四分五裂」になりかねないと報じています。
歴代の防衛省担当産経記者の中でも「芸能記者並みの視点」とか評判の良くない半沢尚久記者の記事で、「陸自びいき」や「北岡伸一氏に批判的」な表現があり紹介を躊躇したのですが、適当につまみ食いすることにいたします
記事「自衛隊で内紛勃発 対中有事巡り四分五裂」より
防衛大綱は約10年先を見据えた安保政策と防衛力整備の基本方針で、防衛省は7月、省内で検討してきた改定案に関する中間報告を公表した。
●これまで大綱改定にあたり陸海空はそれぞれバラバラの作戦計画をつくり、それに基づき装備を導入していた。自ずとシナリオは我田引水になり、導入して無駄に終わった装備も少なくない。
JGSDF2.jpg●今回はそれを抜本的に改め、制服組として3自衛隊共通の有事シナリオを初めて策定。そこから必要な装備体系と運用指針を導き出すことにした。
●有事シナリオは、中国による尖閣諸島など南西方面の離島への侵攻と、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃の2通りある。いま最も起き得る危険性の高いシナリオであることは間違いない。
●仮に中国軍が尖閣を奪取しようとすれば、艦艇や戦闘機など海・空戦力の展開が中心になる。対応は海自と空自が中心になるのは当然だ。シナリオもそうした内容だったが、出番が少ない陸自には強い不満がくすぶる。
海空自は「離島を奪還するために陸自部隊が上陸するような作戦は想定する必要がない」と考えている。陸自がテロリストを掃討する作戦に踏み込まず、「陸自排除」が貫かれた、というのが陸自の言い分だ。北朝鮮の弾道ミサイル攻撃への対応にも陸自は納得していない
●もっとも、海・空自には陸自に対し、「海・空戦力が中心になる脅威と対処のありようを直視し、シナリオと作戦構想に歩み寄るべきだ」(空自幹部)との不満もある。
●防衛大綱の改定案がまとまり、閣議決定されるのは12月になる見通し。今後3カ月、陸自の巻き返しと海・空自の抵抗という構図の攻防が激化するはずだ。
背広組も口を挟んできた。実は、制服組が統合有事シナリオを作成したのは、制服組が主導する「統合防衛戦略」の策定につなげるためだった。しかし、背広組は制服組の権限拡大につながると嫌がり、潰しにかかっている
安倍首相は外交・防衛・経済の3分野を軸にした包括戦略となる「国家安全保障戦略」を初めて策定する方針を固めている。それに向けて有識者会議を設置、座長には北岡伸一国際大学長を充てた。
JGSDF4.jpg北岡氏の名前にアレルギー反応を示す陸自幹部は多い。北岡氏が陸自の人員削減を唱える論文を発表しており、平成22年の大綱見直し議論の時に、民主党政権が「関係閣僚協議」に呼んだことを陸自幹部は批判していた。
陸自の言い分は「軍事が専門でもない政治学者に自衛隊の編成・装備にまで意見を求めるのであれば問題だ」である。有識者会議座長というポストを得た北岡氏が、またぞろ自衛隊の編成・装備に注文をつけない保証はない。
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まんぐーすの在り方検討中間報告への感想
「F-35購入はTPP用の貢ぎ物なのか?」→
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-06
半沢記者の記事は、陸自からの「入れ知恵」や「袖の下」が感じられる内容ですので、露骨な部分は削除しています。
JGSDF3.jpg民主党政権時にも担ぎ出された北岡氏を、安倍総理が再び担ぎ出したのには、その考え方が正しく正当だと判断しているからで、まんぐーすも激しく同意します。
陸上自衛隊は、従来型の陸自を維持するため、東北大震災や原発事故の記憶を巧みに利用する主張を展開し、脅威の変化に目を背け、限られた資源の投入議論を妨害する「自己組織防衛軍」に成りはててしまいました
今陸自に求められるのは、兵器技術が拡散し各種ミサイル兵器の能力が向上した中で、如何に日本の抑止力向上に貢献するかを考えることです。
つまり、戦車や大砲や歩兵中心の部隊構成から、防衛用ミサイル部隊(BMD部隊)や対艦・対地ミサイル部隊(攻撃用部隊)への変化に自ら取り組むことです。
米国では既に動きが・
「米陸軍をミサイル部隊に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
「陸軍トップがミサイル重視検討発言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-17
平成22年大綱見直し時の議論
「読売も社説:陸自削減を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-21
「国防より組織防衛」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-16
森本前大臣も陸自の変化を要求
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05
元防衛大臣・石破茂氏の防衛省観
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-29-1
●運用だけ統合でやっても、防衛力整備を陸海空バラバラにやっている
陸海空がバラバラに内局へ行って、内局の分からず屋と言う話になって、政治が馬鹿だと言って、それでおしまい

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