CSBA研究員が根本軍改革を訴える

19日、CSBAのMark Gunzinger上級研究員が空軍協会のミッチェル研究所で講演し、予算の強制削減や10年にわたる戦いの終了、更に2014QDRに向けた議論は「千載一遇」のチャンスであり、少数の米軍幹部による議論と決断で前進すべきだと訴え、具体的な変革の方向性を示しました
Mitchell Institute for Airpower Studiesで講演し
(ミッチェルはマケイン上院議員が大好きならしい)
Gunzinger.jpg●財政状況や世界の軍事情勢、更には変化する優先事項を真剣に議論するため、1947年に第2次大戦後の米軍のあり方を議論した「Key West会議」のような場が必要である
●今会議を行うとしたら、会議の出席者は国防長官と副国防長官、統合参謀本部議長と各軍種の長、更に各副参謀総長が良いだろう。この程度の小規模でパワフルな集団だけが、真の変化をもたらすことが出来る
●「タンク」と呼ばれるJCS meeting roomのパワーを、因習を打破し、巨大組織を新たな方向に導くことに使用すべきである
このような試みなしには、今度の2014QDRも「いつもの仕事」になってしまう。各軍種が従来どおり予算を等分しているようでは、変革の失敗は明らかである
各軍種のあるべき変革の方向性
CSBA LRS3-2.jpg米空軍は戦闘機を削減し、より遠方からの戦いに備えて爆撃機を増やすべきだ。また、前方拠点基地の「強靭性:resiliency」を強化し、より高度な無人機を導入し、電磁パルス領域での圧倒的支配を追及すべきである。なぜならそこが戦いの場となるからである
米海軍は、空母航空部隊により無人機を導入し、新たなサイバーやエネルギー兵器搭載を追及し、潜水艦のモジュラー化による多機能化を目指し、適当な精密誘導兵器を開発(develop the right…magazine)すべきである
DEW.jpg米陸軍はエアシーバトルから除外されたと考えるの必要は無く、戦術弾道ミサイルやBMDに投資し、エネルギー兵器やレイルガンやミサイルによる地上配備海上阻止能力でA2ADに対応すべきである
海兵隊は>、敵の強固な海岸防御と正面から対峙して突破するのではなく、これを迂回して戦力を発揮するような新しい作戦コンセプトを追求すべきである。また、F-35Bを飛行場の無い場所で運用することにより、相手の計算を混乱させることが出来る。
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講演の全体内容は公開されていませんが、米軍のみならず、世界の軍事関係者が参考にすべき指摘だと思います
中国のA2ADに対応すべく、陸上自衛隊には上記指摘の方向で「日本版ミニA2AD」を構築してもらいたいですし、中国の圧倒的な初動A2AD攻撃を受けて立つ航空自衛隊には、「戦闘機だけ」防衛力整備を放棄し、「より遠方から」や「resiliencyの強化」や「電磁パルス領域での圧倒的支配」を追及してもらいたいものです
なお、CSBAのMark Gunzinger上級研究員は元米空軍のパイロットで退役大佐です。
CSBAの最近のレポート
「米陸軍にA2ADミサイルを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14
Gunzinger上級研究員の過去記事
CSBA:国防投資の重点は?→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-11-28
CSBA:ビーム兵器へ優先投資せよ→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-20
米空軍 VS シンクタンクCSBA→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-26-1
序論:長距離攻撃システム構想→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-25
本論1:長距離攻撃システム構想→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26
本論2:長距離攻撃システム構想→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-26-1

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