1日、オバマ大統領はドンリー前空軍長官(6月末退任)が退任後空席になっている空軍長官ポストに、巨大安保・技術コンサルタント会社SAICの女性幹部であるDeborah Lee James女史を推薦しました。
女性長官候補のノミネートは各軍事メディアが報じていますが、どの報道も空軍が直面する予算強制削減への対処の困難さと同時に、空軍がいくら対策打っても底が見えない「性的襲撃」問題の深刻さを喫緊の課題としてあげています。
何でも、空軍参謀総長が設けた「性的襲撃」対策特別チームのメンバーである41歳の中佐が、ペンタゴン近くのストリップクラブ周辺で女性を襲って逮捕されたらしいです・・・
「性的襲撃」問題の深刻さ
「国防長官が対策会見」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-19
「女性5人に一人が被害」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-10
「指揮官を集め対策会議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-04
本題の候補Deborah Lee James女史の年齢は不詳ですが、ストレートにコロンビア大学で国際関係修士号を取得され、直後に下院軍事委員会スタッフでキャリアをスタートされたと仮定すると、55歳くらいかと推察いたします(失礼!)
SAIC技術エンジニアリング部門のJames社長とは・・・
●デューク大学で比較文化学士、コロンビア大で国際関係修士号を取得。
●キャリアは1983年から1993年まで勤めた下院軍事委員会の専門スタッフでスタート。軍事委員会では軍人の人的問題とNATOを担当
●1993年から98年まで、国防省の予備役問題担当の次官補代理を務め、100人以上のスタッフと1兆円の予算を担当。
●98年から2000年まで、United Technologies社の国際マーケティング担当副社長
●00年から01年まで、National Security社の上級副社長かねて執行役員
●03年から13年まで、SAICのC4I部門の副社長、後に同社の通信と政府関連事業担当の副社長、2013年から現職
●James女史はSAICでの本業のほか、国防省の女性問題諮問委員会の委員や軍人問題関連財団の女性問題委員も勤めている
オバマ大統領は推薦声明の中で・・・
●彼女の公的業務における力強い経歴と民間企業でのリーダーシップが、私をして彼女を空軍長官に推薦させた。
●彼女との仕事を通じ、米空軍を世界一の空軍として維持し、空軍兵士とその家族との信義の絆を守って行きたい。
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5年以上という史上最長勤務記録を打ちたて、散々苦労したドンリー長官が引退して早6週間あまり。臨時の空軍長官に、同性愛者を公言しているEric Fanning副長官が就任して話題になっていたところです。
ご経歴からすると、James女史は議会の下働きスタッフからの「たたき上げ」苦労人です。議会での承認後は、そのご活躍に期待いたしましょう!
「ドンリー前空軍長官の退任」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-24-1
「日系女性が国防省IT戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-27
「人事担当次官を女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-25
「日本女性も活躍栗田2佐」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-11
「空自女性大佐の米核兵器論文」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-25-1