強制削減でサンダーバード飛行停止

Thunderbirds.jpg1日、米空軍は国防予算の強制削減発動に伴い、前線部隊や操縦者養成費用をねん出確保するため、全てのデモンストレーション飛行や各種イベントでの空軍機の飛行を中止すると発表しました
その中には、米空軍が空飛ぶ広告塔としてアピールしてきたアクロバット飛行チーム「サンダーバード」の飛行停止(4月1日より)も含まれます
飛行予算の18%がカットされ全飛行部隊の2/3がフライトを削減される事態に直面している米空軍ですが、国民が「内向き」になっているこのタイミングで、アピールの機会を失うのは非常に痛いことです。致し方ないとは言え。
日本で開催される自衛隊基地の航空祭も、さぞかし寂しくなることでしょう・・
米空軍広報部長のKodlick准将は・・・
Thunderbirds2.jpg●米空軍は少なくとも本予算年度の間、全ての広報イベントでの航空機飛行支援をキャンセルし、サンダーバードも4月以降のイベントをすべて中止する
●1日付で発せられた指示は現役、予備役、州空軍の全てを対象とするもので、全ての航空ショー、展示見本市、葬儀や軍学校卒業式等のイベント、一般市民広報飛行、heritage飛行(?)、施設開所式での飛行を取り止める。
サンダーバード操縦者の展示飛行資格延長許可フライトは、飛行再開の目処が立った以降に実施する
●米空軍は、アフガンでの作戦任務飛行や緊急対処飛行、核抑止能力維持、更に操縦者要員養成の初期教育フライトを維持確保するため、現役戦闘飛行部隊の2/3のフライトを削減している。
●今回中止を決定した広報イベント等での飛行は、全て各部隊の訓練フライト経費でまかなわれていたものであり、強制削減による全体枠の縮小を受けて中止せざるを得なかった
広報関連フライトの重要性はかつてないほど高いと考えているが、他に選択肢がない。
●本年度末には再度空軍全体で削減可能な飛行経費がないか精査し、広報関連フライト再開の可能性を探りたい。また、フライト以外の手段で一般国民との繋がりを維持する手段を探りたい
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Thunderbirds3.jpg厳しい決断です。陸、海、海兵隊も、なんらか同様の措置を執ることになるのでしょう
軍幹部の本音として、一般国民へのアピールの場を失うことは、部隊の士気や人材確保の面から、部隊練度が落ちること以上に将来的影響が大きいですから避けたいでしょう。
でも部隊の訓練を削減してボランティア活動に汗を流すわけにもいきませんから・・・。
「強制削減:ワシントンDCの雰囲気」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-02-09
「海軍は空母活動停止も示唆」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-26-1
「空軍2トップが強制削減策を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-15

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