これまでのF-35開発では、「正常に機能するか」を確認する試験が行われて来ましたが、いよいよ「如何に実戦で使用するか」を検討・確認する試験に移行するようです。
ただ注意が必要なのは、以下はあくまでも米空軍webサイトの発表であり、現在も未解決の問題を多数抱えているF-35開発の問題点には一切言及していない点です。あくまでも「大本営」発表であることに留意しておく必要があります
ネリス空軍基地発表(2月13日)によると
●2月末までに、F-35Aが4機、同基地に到着して第53航空団の第442試験評価飛行隊に配属される。同飛行隊では、これまで加州エドワード空軍基地で行われていた開発用の試験ではなく、F-35Aの作戦運用法を検討する試験が行われる
●F-35全タイプを通じ、未だ作戦運用法の試験を開始したところは無く、ネリスが装備品開発史上最大のプロジェクトにおける最初の作戦テストに取り掛かることになる
●「force development evaluation」(戦力適応評価)と呼ばれるテストでは、F-35Aの標準的な任務遂行手順を試行錯誤しながら継続的に練り上げていく。同評価の最大の部分は「tactics development」(戦術開発)である。
●第442試験評価飛行隊は、F-35Aの空対空戦闘や空対地戦闘戦術をデザインし、また米空軍の他機種と組み合わせてどのように運用するかも検討して決定する。同飛行隊は数年内に更に数機を受領し、最終的には12機のF-35Aを保有する予定である
●戦法開発とも考えられる試験は、ネバダ砂漠上に設定されたネバダテスト訓練演習場で実施される。
●同演習場には、飛行高度や速度制限が無いばかりでなく、様々な脅威を模擬する施設が設置されており、可能な限り実環境に近い状況下で試験が行えるよう準備されている。
●同基地では試験評価飛行隊以外に、「Fighter Weapons School」がF-35Aを24機受領する予定になっている。
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開発が進んでいるのであれば結構なことです。しかし、どのくらい試験が遅れているのか、試験終了時期が何時なのかに関する記述が一切ありません。
これは恐らく、米軍が要求した機能や性能を備えたF-35が何時手に入るか、全く見通しがたっていないからだと思います。
性能が中途半端な「とりあえず」の機体をいくら受け取っても、基本的な戦法研究は出来るかもしれませんが、実戦を想定したレベルの運用要領や他機種やシステムとの連携運用法を練り上げていくことは出来ません。
僅か4機で可能な戦法開発がどの程度かも疑問ですし、追加機体について「a couple more in a couple of years」との見積もりでは、試験計画自体が立案困難なのでしょう。引き続き「亡国のF-35」です。
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