フィリピンは、2005年にF-5戦闘機が退役した後、戦闘機を保有しない軍隊でした。
それが今回、韓国製FA-50戦闘機を12機購入すると発表です。30日、大統領報道官が明らかにしました
Lacierda大統領報道官は
●現在フィリピン軍はジェット(戦闘)機を保有していないが、進行中の軍装備近代化の一環として購入を決定した
●購入した機体は、訓練、要撃、災害対処に使用し、またカメラを搭載して偵察活動も可能だろう
●今次の購入決定は、決して特定の国を念頭に置いてのことではない
Galvez比国防省報道官は
●FA-50を選択したのは、国家の全ての要望にこたえることが出来、かつコスト的に妥当だからである。約270億円を調達に考えている
●フィリピン政府は細部の交渉を開始する。早急に2機を調達し、操縦者の訓練を開始したい
30日付Defense-Newsは・・・
●金回りが良くなりつつあるフィリピンは、中国の南シナ海への進出に対応し、軍備の近代化を加速している
●フィリピンは、長く米国製の兵器に依存してきたが、最近はPolandやSpain、伊、加、仏等の装備にも視線を向けている
●アキノ大統領は、2011年11月に訪比した韓国大統領と韓国製兵器の購入について議論していた。
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FA-50は、米空軍T-38練習機の後継候補になっているT-50をベースにした機体です。
従って本格的な戦闘機ではなく、機動性の比較的良いジェット機に武装を搭載した程度のものです。
T-50練習機に、イスラエル製のEL/M-2032レーダーを搭載し、M61A1機関砲、AIM-9空対空ミサイル、各種爆弾、ロケット弾ポッドなどが運用可能と言われています。その他概要は
→http://ja.wikipedia.org/wiki/T-50_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
12機を機体整備や要員の養成を差し引いて考えれば、5~7機が実戦に一度に投入できる程度の戦力と考えてよいでしょう。
それでも、これまでの「0」よりは、中国にとって厄介な対象が増えるわけです。単純計算で1機23億円。その効果に期待いたしましょう
フィリピン政府の米軍受け入れ合意委員会委員長が、「米軍のアジア太平洋シフトにより、スービック湾が重要な役割を果たすだろう」と記者団に・・・
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-09-1
「米比軍事関係に飛躍の予感」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-27-1
「比が米にP-3C派遣要請」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-06
「米と比が軍事協力強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-29-1
「パネッタ長官シャングリラ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-24
「新海軍士官にア太平洋重視を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-30