「人生においてそうであるように、誰もが成功を保証されているわけではない。全員が戦闘員になれるわけではないのだ。しかし全員にチャンスはある」
24日、パネッタ国防長官とデンプシー統合参謀本部議長は定例会見の中で、地上戦闘職種を女性兵士に大幅開放する文書に署名しました。
同時にパネッタ長官は、不必要な性別による職種限定を全廃する計画を更に全軍種で推進すると宣言しました。
今回の戦闘職解放では、昨年2月に約14000の地上戦闘職域が女性に解放されたのに続き、184000もの戦闘職ポストと53000もの準戦闘職ポストが女性に開放されました。
これら一連の「解放」は、オバマ大統領のリベラルな姿勢を強く反映したものと思われ、同性愛者の受け入れ(同性愛者に関する「問わない、語らない」方針の撤廃)と同列の施策と考えられます
本決定にオバマ大統領が声明を
●この決定は、2世紀にわたる米国史上における女性の勇気と愛国心、そして現在の軍に女性の役割が必要不可欠であることを反映したものである
会見でパネッタ長官は・・・
●10年以上にわたる戦いで、女性たちはその勇気、技量、愛国心を示しており、152名もの戦死者を出している
●前線を訪問すると誰もがその職務に専念し任務を果たしている。ともに戦い、死ぬ時も同じである。この現実を認識する時が来たのだ
「ある特殊部隊女性の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
●全軍種に対し、全ての職域分野の業務達成基準が性別に対し中立で最適なものかを評価するよう指示している。各職域の専門学校においても同様な評価を行う。
●評価の結果は5月15日までに提出を義務付けられており、2016年1月までに全ての見直しを終了する
●即応態勢や士気、戦闘能力を犠牲にすることなく実施しなければならない。責任ある一貫した確実な手法で遂行されなければならない
●本方針が完全に履行されれば、例外的に国防大臣が許可した職域のみに女性の配置が閉ざされることになる。能力と資格と働きぶりのみに基づいて評価されるとき、我が軍は一層効果的になる
●人生においてそうであると皆が知っているように、誰もが成功を保証されているわけではない。全員が戦闘員になれるわけではないのだ。しかし全員にチャンスはある
国防省関係者は・・・
●職域や配置は徐々に増加するが、級数的に増えるだろう。年間を通して開放を前進させる
●本方針転換では、女性の融合を成功させるため、十分な女性中上級下士官や女性士官を配置することを確実にする
//////////////////////////////////////////////
パネッタ長官の発言「全員が戦闘員になれるわけではない。しかし全員にチャンスはある」と、国防省関係者の一定数を確実に配置させるとの表現との差が気になります。
パネッタ長官が「機会の平等」を強調し、官僚が「結果の平等」に言及している点です。
去りゆくパネッタ長官は軍内の本音を語り、オバマ政権下で将来も働く関係者は、大統領の顔色を見ている・・・ということでしょうか。
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////
例えば米空軍では・・・
●全職域の99%がすでに女性にも解放されているようですが、残り1%(約3200ポスト)について今後検討を進めるそうです。
●残り1%の全てが特殊作戦部隊のポストで、士官と下士官合わせて7職域。
●特殊作戦部隊の戦闘指揮、戦闘気象、救命救助員、戦術航空管制などが含まれています。
米国防省・米軍女性関連記事
「初の戦闘航空団司令官」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-06-05-1
「大統領が24名の潜水艦女性を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-30-1
「米空軍の兵站改革に女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-21
「不沈F-35と低酸素F-22」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-09
「レーザー兵器の開発動向」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-01
「ある特殊部隊女性の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
「サイバー戦の指揮も女性」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-06
「宇宙戦争の指揮は女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-01-30
「特殊部隊にもっと女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02-1
「女性だけの編隊で攻撃」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-04
「空軍士官学校の美人将軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-10
「もう一人の美人将軍」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-29
「日系女性が国防省IT戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-27
「人事担当次官を女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-25