イランの地下核施設攻撃の「切り札」、又はシリア化学兵器庫攻撃兵器と噂される約3万ポンドの超巨大貫通弾MOP(Massive Ordnance Penetrator)が、「能力発揮(successful prosecution)」準備完了との報告がなされているようです。
先日F-35の「軽量化」問題をご紹介した際に引用した、国防省の評価組織OT&E(Operational Test and Evaluation office)2012年報告書(11日提出)が、昨年のMOP試験状況等に触れているようです。17日付AF-Magazineより
この巨大爆弾は2011年に一端完成しましたと報じられましたが、その後イランの地下施設が更に強固であることが判明し、破壊・貫通力を増すため更なる改良と設計変更が行われていると報じられていました。
昨年7月に空軍参謀総長(当時)は・・・
●仮に今日必要だと言われれば、使用することは可能だ。
●ただし、現有タイプを使用することになる。一方米空軍は、MOPを更に洗練するため試験を継続する。
2012年OT&E報告書によれば
●ホロマン空軍基地で3万ポンドの貫通爆弾の試験を2回実施し、兵器の重要部分の設計変更が成功したことを確認した。
●2012年6月から10月にかけ、B-2爆撃機から5回の投下試験をホワイトサンズ射撃場で実施(2回は模擬弾頭、3回は実弾等)し、更に性能を評価した
●これら試験の結果は、MOPの再設計が、現在想定されている全ての目標群への「successful prosecution:能力発揮」に適したものであることを示している
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MOPは、B-2爆撃機からの投下用に作られたボーイング社製の貫通弾です。
この種の報告書の位置づけから来るものでしょうが、現場の指揮官ではないので「実戦使用可能」とは表現せず、少々まどろっこしい「successful prosecution」との表現を使うのかもしれません。
短期間での設計変更と試験ですので、何かを犠牲にして一部を強化したのかもしれませんが・・・
2012年OT&E報告書はこちら・・・
→http://www.dote.osd.mil/pub/reports/FY2012/
MOPに関する過去記事
「シリア化学兵器に?巨大貫通弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-27
「対イラン?巨大貫通弾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-11-16-1