エアシーバトルで救難作戦を

ASB-Resque.jpg13日付の米空軍webサイトが、エアシーバトル訓練の一環として、米空軍の救難部隊が空母攻撃群と共同訓練を行った様子を報じています
予算の強制削減、サイバー、性的襲撃、F-35開発が不調だ等の「後ろ向き」なニュースばかりを米空軍関連の話題としてご紹介してきましたが、エアシーバトルは一応部隊レベルまでコンセプトの普及が進みつつあり、「出来ることからコツコツと」の雰囲気が広がりつつあるようです
空母ニミッツ戦闘群の展開準備訓練として・
USSNimitz2.jpg●11月1日から15日にかけ、第3艦隊と米空軍第563救難群が、太平洋上の空母ニミッツを中心にPR(Personnel Recovery:人員救出)訓練や海上射撃訓練を行った
●空軍救難部隊からは、ネリス空軍基地等から救難ヘリ(HH-60G)5機と人員約160名が参加した。特に今回は、ROC(Rescue Operations Center:救難作戦指揮所)を特殊作戦用HC-130Jで空輸し、状況掌握や海軍との意思疎通・通信設定を統制しつつ、本格的な海上作戦に取り組んだ
●訓練に先立ち、空軍救難部隊は空母機動部隊の運用、エアシーバトル、海上での救難作戦戦術・技術・手順等を学んで訓練に臨んだ
●訓練の最終段階では、空母機動部隊が攻撃を受けた場合の多様な状況が付与され、HC-130Jから空軍救難員が太平洋に飛び込んで救助活動や現場からの脱出を支援した
●第55及び66救難隊は、これまで経験の無い海上での射撃訓練を行い、敵勢力下の海上救出技術や戦術・手順を、海軍部隊との共同作戦場面で実地に訓練した
参加の空軍部隊指揮官たちは・・・
HH-60G.jpg●エアシーバトルは、敵のA2AD環境下において、海空軍が全てのドメインで統合して戦う手法である。本訓練は、同コンセプトの元で如何に効率的に人命救出作戦を行うかを海軍と共に追求する機会である
●同時に、空軍救難群にとっては空母機動部隊との共同法や海上救難手法を、エアシーバトルの中で学び考える良い機会である。
●実践的な環境設定の中、緊急時の敵対的海洋空間における海上目標救出の機会はこれまで無かったダイナミックな訓練である。将来の作戦に備える意味で、極めて貴重な価値ある訓練となるだろう
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極めて具体的な環境設定の訓練です
HC-130J.jpg米空母群が(中国からの)攻撃を受けて被害を受け、引き続き敵攻撃を受ける危険のある地域で救助を求める兵士を救出する・・・。
洋上や遠方でも救出作戦を指揮できるROCをC-130に搭載して展開させ・・・
このような地道な米軍の訓練を見ていると、被害状況下などまったく想定していないように見える自衛隊の予算要求や訓練が、「過去の遺物」のように見えてきます・・。
領空侵犯措置や空中戦など、戦闘機の活躍場面だけに力が入り・・・。
軍事組織はなぜ自己改革できないのか:「軍の幹部は、既存の戦闘方法に熟練していることによって昇任したのであり、それを変化させるような動機は小さい」
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-02
Joint Operational Access Concept (JOAC)とは→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-20
エアシーバトル(ASB)について
「ASBを包括する大戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-12-09
「エアシーバトル批判者に語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29
「A-10が艦艇攻撃訓練」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-25-1
「陸軍もエアシーバトル文書を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-06-1
「1/2米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28
「2/2米中衝突シナリオを基礎に」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-28-1
「CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18

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