日本人を留学させて勉強させるべき
11月5日、米空軍内外からの長年の要望や議論や検討を経て、航空作戦センター(AOC:Air Operations Center)で勤務する要員に対する統合防空・ミサイル防衛(IAMD:integrated air and missile defense)教育コースがスタートした模様です
フロリダ州の空軍基地で始まった教育は、第505指揮統制航空団の第505教育訓練隊が担当する5日間の形で開始され、今後発展拡充していくようです。
卒業者は全世界のAOCに配属され、各地域コマンド司令官の実施する陸海空統合IAMDの立案と実行を担います。
IAMDコース担当責任者は・・・
●潜在敵国からの経空脅威やミサイル脅威は急速に増している。我々は常に世界中の作戦センターで、相手に先んじていなければならない
●IAMDコースの目標は、攻勢と防御能力の発揮し際して必要な、他軍種や地域特性の違いを超えた運用コンセプトを理解させることにある。
●潜在敵国の能力向上ペースを考えれば、今後IAMDコースが期間の長さと教育の深さの両面で拡大しても驚きにはならない
●本コースの中身検討に当たっては、505教育隊の指揮統制教育の教訓、全世界のAOCの要望、陸軍や海軍の防空・ミサイル防衛部隊の知見、ミサイル防衛庁のニーズ等を踏まえ、約1年にわたって議論が行われた
陸軍の連絡将校は
●潜在敵国への航空・ミサイル脅威の急速な拡散を踏まえ、対処に当たる兵士へのIAMD教育はアグレッシブでなければならない
●IAMDは統合で相互依存な分野であり、歩調を合わせた計画と実行が不可欠である。これにより弾道ミサイル防衛が地域コマンドを超えて対処でき、同盟国等とも共同で遂行できる
●新設の精力的な5日間のコースは、指揮と努力の統一を持って任務遂行に寄与するものである
第505教育訓練隊長らは・・・
●IAMDに関する統合の戦術も技術も手順も、公式な文書は限定的にしか存在しない中、現場での必要性から出来上がった興味深いコースである。
●空軍ほど作戦レベルの指揮統制について承知している軍種はなく、IAMD教育の計画から実施までを空軍が担当するのは自然であり、空軍が統合運用に貢献できる重要な分野である。
●私がAOCに配置される際に、このようなコースが存在していればよかったのに・・・と今思う
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日本の戦闘機パイロットを留学させ、戦闘機中心の航空作戦の考え方が急速に陳腐化していることを学ばせてはどうでしょうか?
米空軍も4軍種の中では思考が硬直化している方なので、「脅威の変化」への対応が不十分でしょうが、それでも日本の環境で現在の防衛態勢を続けることの虚しさには気付くでしょう
なお・・・
第505教育訓練隊は、AOCの訓練機関として米空軍のみならず同盟国等の要員も受け入れています(IAMDコースについては不明)。これまで15の基本コースを運営し、約1400人の卒業生を送り出しています。
また陸海海兵隊及び予備役や政府機関文民年間約400名に、統合指揮統制コースの教育を提供しているようです。こちらにも日本の若者の派遣をしては?
中国脅威を見る海外の視点
「IISSミリバラ中国脅威は」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08
「中国空軍は脅威なのか?」→→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-07
「中国海軍は非対称戦」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-29
「RANDが中国空軍戦略を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-29