19日、米国防省のリトル報道官が定例会見を行い、タイ軍が主導で毎年行われている多国間演習Cobra Goldに、ミャンマー軍のオブザーバーを招待する検討を進めていると語りました。
厳密に言うと、「数名のミャンマー軍代表団をCobra Gold 2013に招待したいとのタイ軍の要望を検討している」と報道官は表現しています。
米国はミャンマーの人権問題にこだわり、ミャンマーとの関係強化に極めて慎重なステップを踏んでいますが、昨年12月のクリントン国務長官によるミャンマー訪問を転換点に、中国の影響力を排する方向で徐々に交流を開始したところです
報道官の会見を伝える国防省web記事は・・・
●米国は、ミャンマー(米国防省記事は「Burma」との語を使用)の小さな代表団をCobra Gold 2013に参加させたいとのタイの要望を前向きに検討している
●同演習を主催するタイが、米国と話し合いながらも、3名のミャンマー軍士官のオブザーバー参加を許可するかを判断することになる
●ミャンマー関係者が参加する場合は、人道支援や災害対処訓練、医療支援分野にのみオブザーバ参加することになる
●Cobra Gold演習は、米軍が関与するアジア最大の軍事演習で、本年2月の同演習には約7千名の米兵が参加している
●同演習には2種類のオブザーバー参加パターンがある。一つは「計画部増強チーム」としてシンガポール、日本、韓国、マレーシア、インドネシアが参加しているパターン
●もう一つは、「リエゾンチーム」としての参加で、ミャンマーはこの部類に入ることになろう。ブルネイ、中国、オランダ、ラオス、NZ、ロシア、南ア、スリランカ、UAEがこの形で参加している
●米国政府は先月、国務省を中心とするミャンマー訪問団を送りミャンマー政府と人権問題について話し合ったが、このメンバーに国防省の代表者も含まれており「多様な話題についてミャンマー政府と議論した」と報道官は述べた。
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「ジワリ接近」とのタイトルにしましたが、国防省サイドは米政府全体の「人権問題重視」の姿勢にイライラしていると思います
ベトナムやインドネシアとの関係でも、国防省が「前のめり」姿勢で米政府全体を引っ張ったような構図だったと思います。
全ては対中国ですから。でも中国の経済が減速傾向だとか・・・
「ミャンマーの魅力と課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-29-1
「アンサンスチーの正体」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-01-13-1
「印ミャンマー関係に学ぶ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-12-29
「ブルネイでAS-Battle?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-14
「インドネシアと関係強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-23
「マレーシアと関係強化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-10
「脅威の変化を語らせて」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08
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