練習機T-38の後継機が未定で、米空軍高官が「国際協力で効率的に」と発言をした話を先日ご紹介しましたが、本日は後継機選定レースで劣勢が伝えられるボーイング社の軍事航空機部門社長の発言をご紹介します
後継機に関し複数の米空軍幹部が「可能な限り低価格でリスクのない計画を」と発言しているようで、一般にはすでに諸外国が使用して開発費がペイ済の低価格機種、つまりBAE社のHawk、韓国とロッキード合作のT-50、またAleniaのM346辺りが有力と考えられているようです。
そんな中、Chadwick軍事航空機部門社長は・・・
●ボーイング社では「one Boeing」コンセプトの下、民間機、宇宙、治安部門等々が協力し、ノウハウや失敗の教訓を共有して最高のものを作り上げる体制を可能にしている
●(T-38の後継に関しては)要求性能を白紙的に議論する段階にあると考えるが、仮にこれを既存の練習機で満たそうとすると無理が生じる。
●その点、わが社のPhantom Works開発拠点では、上述のノウハウや経験を生かし、100%の自由度を持って対応可能である
●例えば未来の操縦者養成においては、コストの高い実飛行から、地上のシミュレーターに置き換える範囲の拡大も当然予期されることから、これらに対応しうる機体の用意が求められるのではないか
17日付「Defense Tech」のコメントは
●米空軍はT-38後継機での教育後、ただちに5世代戦闘機F-22やF-35飛行教育に移行できるレベルの操縦者育成を考えており、機体だけでなく、地上教育、シュミレーター、実フライトの教育体系全体の見直しが必要になるかもしれない
●同社長の発言はあったが、ボーイングが自社判断でどれだけT-38後継機候補に資金を投入するか、機種選定開始以前に準備を進めるかは謎である
●同社関係者は現段階での設計状況や投入資金額についての言及を避けている。
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「Defense Tech」の記事は、上述のT-38後継機へのボーイング社のアプローチを「従来手法からの変更」とか「艦載無人機UCLASSや次期爆撃機への提案にも役立つだろう」と表現していますが、どこが従来と違うのかまんぐーすは説明出来ません。
同記事には様々な読者コメントが寄せられていますので、ご興味のある方にはそちらの方が参考になるかもしれません。
まとまった機数を調達するであろう同後継機を、海外の企業から単純に調達するとは考えにくく、今後「ボーイングの狼煙」がどのような方向で具体化されるかに注目したいと思います。
「練習機開発を国際協力で!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-28
「T-38に亀裂やトラブル多発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20-1
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「脅威の変化を語らせて」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08