最近記事のタイトルに「!?」が付いた「東スポ」的な記事が多くて恐縮ですが、「火の無い処に煙は立たず」なので、本日も「!?」付きでまいります
8日、フィリピン政府の米軍受け入れ合意委員会(Visiting Forces Agreement (VFA) commission)の委員長が、「米軍のアジア太平洋シフトにより、スービック湾が重要な役割を果たすだろう」と記者団に語りました。
フィリピンはベトナム戦争時は米軍の補給拠点として、そして冷戦時はベトナムに拠点を築いた旧ソ連軍ににらみを利かせる最前線として、米空軍のクラーク空軍基地とスービック湾の海軍施設は重要な役割を果たしました。
しかしその後の冷戦終了を受け、フィリピン国内のナショナリストを中心とした反米感情が高まり、更に時期を同じくピナツボ山の大噴火でクラーク空軍基地が機能停止に追い込まれ、ついに1991年にクラーク空軍基地は閉鎖に追い込まれています
米海軍が長期のリース契約を結んでいたスービック湾の港湾施設も、全般情勢を判断して1992年に打ち切りが米議会で決定され、同年11月に最後の艦艇が同湾を後にしています
ただしフィリピンの地理的重要性と同地域で貴重な自然特性を備えたスービック港の魅力は捨てがたく、またフィリピン側の国益判断もあり、1999年に米軍部隊の訓練使用を認める合意(Visiting Forces Agreement (VFA))が結ばれ、毎年共同訓練が行われています。
フィリピンの合意委員長(元将軍)は記者団に
(8日付「Defense News」より)
●米国は新国防戦略で示されたアジア太平洋の「リバランス」に沿い、より多くの艦艇や航空機を西太平洋地域に送り込むだろう
●同地域には海軍アセットや空母を受け入れられる港はほとんどなく、スービック湾はその貴重な一つである
●米軍のアジア太平洋シフトにより、スービック湾が重要な役割を果たすだろう。なぜなら、スービックは米軍のプレゼンスを支えられる重要な施設の一つだからである
●スービックは近郊の飛行場(元クラーク基地のことか?)も含め、艦艇の一時立ち寄りから訪問等々、海空の米軍アセット受け入れサービスを提供する
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合意委員長(Edilberto Adan氏)は、米海兵隊の強襲揚陸艦の上で記者団に語ったようで、米国防省サイドからの公式発表も間近との印象を受けました。
記者団に対し同委員長は、中国との関係に絡めた話は一切しなかったようですが、元軍人ですから微妙な関係は十分承知の上でしょう。
米側の「謎の次官補」も大いにフィリピン関係推進に尽力していますから
「米比関係に飛躍の予感」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-09-27-1
「脅威の変化を語らせて」
→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2012-10-08