米空軍戦闘コマンド(ACC)の報道官によれば、26日空軍戦闘コマンドのHostage司令官がMALDの作戦使用可能を宣言しました。(8月28日Daily-Report)
正確に表現すると、IOC(initial operational capability:初期運用体制)確保を宣言したとのことです。
このIOCとは・・・
●実戦に供しうる程度の十分な数量のMALDが部隊配備され、
●MALDを操作可能なF-16操縦者が十分な人数確保され、
●MALDの実戦使用を支える十分な数の整備員が確保されている状態
MALDはこれまでも何度もご紹介してきたジェット推進のデコイで、B-52HやF-16から発射可能です。今回はACCからの発表ですので、B-52での運用開始については不明です
これを敵防空網の中で飛行させ、あたかも本物の作戦航空機に見せかけて相手を撹乱したり、無駄に地対空ミサイルを発射させたり、敵の注目を引きつけて(陽動作戦)本物の攻撃部隊を見つかりにくくする役割が期待されています。
またMALD-Jと言われる発展型は、Jつまりジャミング、電子妨害を敵レーダー等に行い敵防空網を更に能力低下させます。MALD-Jについては、8月22日に米空軍とレイセオンが約65億円の契約を結んだ模様です。
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先日ご紹介した、間もなく最終試験のステルス長距離ミサイルJASSM-ER(射程約900km)やMALDは、A2AD戦略を行使する強固な防空網突破を意識した装備です。
次期爆撃機(LRS-B)や無人艦載機(UCLASS)、更には開発が不調なCPGS等とともに「family of system」として相互に補完しながら総合戦闘力を発揮することが期待されています
「MALD完成間近」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-04-04-1
「続MALDをご存じ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-07-1
「MALDをご存じ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-16
「JASSM-ERも最終試験へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-08-10-1