更に悲しき台湾F-16を巡るお話

F-16UpGrade.jpg13日付「Defense News」が複数の台湾紙を引用して伝えるところによれば、台湾国防当局は長年にわたり米国に求めている最新F-16の売却要求について、従来66機を要望していたところ、予算的制約からこの機数を24機に下方修正した模様です。
先日、以下の記事で「7月13日、米空軍と台湾軍との間で台湾希望の最新型F-16C/D売却ではなく、台湾保有146機の初期型F-16A/B全てを能力向上する方式で合意した。経費は約3000億円」とご紹介したところですが、台湾当局はまだまだ最新F-16を諦めていないようです。
「哀愁の台湾F-16能力向上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-23
13日付「Defense News」によれば・・・
US-Taiwan.jpg●13日、台湾と米国軍事当局間の定期的な協議である「Monterey talks」が開催され、その場で台湾側は引き続き最新F-16のC/D型売却を米側に要望した
●しかし台湾軍事高官によると、F-16C/D型の要求数を従来の66機から24機に下方修正した。膨大な経費が必要なA/B型の能力向上と、C/D型の希望数購入の両立は経費的に両立はきわめて困難である
●別の台湾紙で有識者は、F-16のC/D型の購入数を減らし、F-35の購入余地を残すためではないかと解説している
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この報道が正しいとしても、中国との関係悪化を懸念する米国が、台湾にF-16の最新型C/Dタイプを売却するとは考えにくいです。
それでも一貫してC/D型を要求し、一方で要求数を減らす台湾当局関係者の「悲哀」や「哀愁」を感じざるを得ません。
同時に、日本よりも中国に近く、1000発以上の短距離弾道ミサイルで中国から睨まれ、高性能の中国地対空ミサイルの射程内にある台湾が、戦闘機にこだわる姿勢が涙を禁じえません・・・。
台湾関連の記事
「哀愁の台湾F-16能力向上」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-07-23
「米は台湾に最新F-16売却するか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-23
「台湾空軍の苦悩」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-14
「米中軍事対話と台湾」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-11
「ミサイル1600発除去が条件」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-19

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