米国防省がHUMINT体制強化

littleKirby3.jpg24日、国防省報道官にご昇任のJohn Kirby海軍大佐が、米国防省のHUMINT体制強化のため「Defense Clandestine Service」をスタートさせたと発表しました。
事柄の性格から、何とも中身が判然としない発表ですが、増員や他機関業務への進出はなく、国防省内で要員のキャリアをキチンと管理し、他情報機関との情報共有や意見交換を正式にしっかりやろう・・・的な中身のようです
報道官Kirby大佐は会見で・・
●我々は、新たに「Defense Clandestine Service」と呼ばれるモノを設けた。これは軍独自の情報能力を、他情報機関の情報と効率的に融合することを狙ったものである。また同時に、我がインテリジェンス要員の更なるプロ化やキャリア管理を発展させる目的も持った施策である。
●あくまでも現有の人材と能力を有効活用し、より焦点を絞った情報収集分析に当たらせる。統合施策として既に開始されており、他の情報機能を補完することになる
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●この施策による効果は、「human side of intelligence」収集と他の情報収集とのバランスをとることにある。我々はこの種の情報収集技能に極めて優れた能力を有しており、この施策により一層、人的情報収集分析能力が向上すると考えている
●もう一つの効果は、(人的情報能力を)追求するプロ達用の新たなキャリアパスを設ける点にある
●この「Defense Clandestine Service」は国防省の施策だが、国家情報長官DNIを補完支援するものになる。本分野に携わる他の機関もあるが、彼らは引き続き業務を行う。他機関の業務を引き継いだり、飲み込んだりするモノではない。情報の軍占有でもない国家としての情報収集施策を向上させる取り組みである
●この施策は、過去10年間に学んだ最上の教訓と経験の上に始まったモノである。この10年で我々は、本分野でより良い能力を発揮でき、多機関で構成されるインテリジェンス界に貢献できると確信している
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過去10年間に学んだ最上の教訓と経験の上に」・・血と汗を流して得たモノでしょうから、大切にしていただきたいモノです。
恐らく「インテリジェンス界に貢献できる」と強調する情報手段の中には、以前「ある特殊部隊女性中尉の死」でご紹介したようなチームの働きもあるのでしょう。
「ある特殊部隊女性中尉の死」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-10-27
littlekirby.jpgところで・・Kirby大佐は以前、統合参謀本部議長のメディア対応補佐官でしたが、この会見の前にいつもコンビのGeorge E. Little報道官と同名ポストに2名配置となったようです
職名は2名とも「Deputy Assistant Secretaries of Defense for Public Affairs」、広報担当国防次官補代理とでも言うのでしょうか。
ゲーツ前長官は、記者会見時に統合参謀本部議長と並んで行う習慣を確立しました。ラムズフェルド長官時代に制服組との関係が極端に悪化したことも背景にありました。
ゲーツ長官時代はTV局のキャスター上がりの人物が報道官でしたが、パネッタ長官はLittle報道官とKirby大佐コンビによる2人会見を採用しています。良いことだと思います。
真紀子議員の旦那と並んで会見などまっぴらゴメンの声が聞こえてきそうですが・・・。
ゲーツ前長官とメディア
「他国はなぜ米国と付き合うか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-12-02
「最後の記者会見でプレスを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-17-2

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