韓国でオバマ大統領が秘話を

korea-obama.jpg25日から韓国を訪問しているオバマ大統領は、米大統領として久々に南北朝鮮を分ける非武装地帯を視察すると共に、韓国大統領と共同記者会見、更に韓国駐留の米軍兵士に語りかけています。記者団や米軍兵士を前にしてのスピーチですが、呼びかけの相手は北朝鮮であり中国でもあります
52ヶ国が集う核安全保障サミット(nuclear security summit)参加のための訪韓ですが、北朝鮮情勢に関する発言は珍しいのでご紹介します。26日のソウル市内での講演より内容が充実していると思うのでご紹介します。
おまけに韓国大統領の殺し文句も「秘話」としてご紹介
まずは情勢認識を披露・・
金正恩についての印象を語るのは難しい。その理由の一つは、北朝鮮が今だ落ち着いていないからである。そして、誰が意志決定をしているのか(who is calling the shots)、彼らの長期的目的が何なのかが判然としないからである
●明らかなのは、彼ら自身が「我々のなす事は機能していない。我が国と国民は生き詰まった」、と自覚する転換点には至っていないことである
Korea-ObamaNSS.jpg●先ほど南北を分ける非武装地帯を約25mの距離から視察し、60年間そのままの「time warp」したような境界線を目の当たりにした。そして金正日の死後100日を記念する北朝鮮半旗がはためく、古ぼけた北側の建物を霞越しに確認した。
●北朝鮮の生活は、韓国のそれから数十年遅れており、核計画放棄によって西側から援助を受けるという戦略的転換が成されるまで変わらないだろう
●米韓両国は、良好関係のスタート時点からその打破で合意している。
中国へのメッセージは辛辣
●(翌日に中国主席との会談が控えているタイミングで中国が、彼らの北の同士達に核施設の査察を受け入れるよう説得できないでいることは、極めて残念である。また中国が、数年にわたる北の恫喝や悪しき行いを止めることが出来ないでいるのは理解に苦しむ
●中国が、中朝国境の安定を願うことは理解できる。しかし北朝鮮にその悪行や挑発行為を紙で正そうとする努力は機能していない
中国への助言であるが、過去数十年に渡って中国が北朝鮮に懸念を伝えてきたような手段は、根本的な変化をもたらしてこなかったと言う事実である。
韓国大統領「秘話」で兵士激励
君たちは「自由の最前線」に立っており、米国と韓国の強固な団結を体現するモノである
●私は韓国大統領と共に、北朝鮮に衛星打ち上げを中止するよう要求する。北朝鮮は、脅しや恫喝によって何も達成し得ない。ロケット発射によりその孤立を深めるだけだ
●韓国大統領と私は、北朝鮮による如何なる脅しや恫喝にも断固として対応すること、引き続き米韓両国による防衛体制強化進めることで合意した。
KoreaObama2.jpg●前回韓国を訪問し、韓国大統領と昼食を共にした際、韓国大統領からこのような言葉を聞いた。プレス前では口にしない、私的な会話での話である。
彼は幼い頃に体験した朝鮮戦争の話をした。悲惨な戦争とその後の貧困、何もかも失った時代を彼は経験した。しかしその後、彼は懸命に働いて自動車会社幹部となり、ついには韓国の大統領になった。そしてその過程で韓国の発展を見つめてきた。
●そして彼は私に語った。「今の韓国が存在するのはなぜか。理由は一つ。当時の米軍兵士がその命を賭けて犠牲を払ってくれたからである」と
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外交的に手詰まりな朝鮮半島情勢ですが、大統領選挙も見据え、外交で特典を稼ぐため、威勢よく言葉をつないだのだと思います。
または、政権交代を控え、権力闘争に揺れる中国の足元を見て強気な姿勢を打ち出したのかも知れません。
KoreaObama.jpgところで韓国大統領の昼食会での言葉・・・。国を守るためなら、お世辞でもゴマすりでも何でもやるぞとの決意が窺えます。大陸の大国に比し、韓国も所詮は日本と同じ小国。生き残りのためには何でも利用しなければ
日本では最近、威勢の良い独自路線や自主自立を訴える声をよく耳にします。しかし、歴史の中で日本を支えてきた先達は、耳障りのよい威勢だけの主張をよそに、頭を下げてでも諸外国を巧みに利用し、苦心惨憺ぎりぎりで小国を守ってきたのではないでしょうか・・・。
「在韓米軍司令官の交代」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-04
「在韓米軍は兵士に不人気?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02
「韓国の米軍再編は順調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-27
「米国が韓国を恫喝アフガンへ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-22-1
「涙。韓国、米国に屈す」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-30-1

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