飛んで火に入る 夏の虫
6日から9日の間、稲嶺進・名護市長がワシントンDCを訪問し、米議会や有力な極東問題研究者に対して沖縄からの米軍削減について訴えています。そしてそこで「過重な負担を強いられている沖縄には同情する」、「在沖海兵隊の撤退は可能」等の言葉を米側から引き出した事を沖縄紙が報じています。
会談した関係者は、普天間と嘉手納統合を訴えたウェブ上院議員(軍事委員会)、民主党の重鎮イノウエ上院議員、国防省のジョンストン北東アジア部長、国務省のナッパー日本部長、CSISのマイケル・グリーン日本部長、CFRのシーラ・スミス上級研究員、ブルッキングスのオハンロン上級研究員等々、極東政策に影響力がある有力者又は知日派の研究者です。
米国防関係者にとっては有り難い訪問だと思います。
米国は新国防戦略で、中国対処のためのアジア太平洋地域重視を打ち出してアジアへの関与を強調していますが、基本的に中国の弾道ミサイルや巡航ミサイルの脅威を強く警戒しており、第一列島戦より遠方(東から)から無人機や長射程兵器等で対応、を中心に装備体系を変えようとしています。
しかしこれを正面から持ち出すと、「有事米軍は撤退」との印象を与えて「米国への不信感」となり、「日本は早々中国に白旗」になりかねないので、どのように在日米軍の実質空洞化とアジア全域(中国から遠い場所)への兵力分散を持ち出すかは米国防関係者にとって「悩みの種」であるはずです。
稲嶺市長ご一行の訪米を沖縄紙は・・
●グリーン氏やスミス女史らは一行に、辺野古移設実現の見通しについて、名護市、県の反対に加え、米国内で軍事費削減の動きもあり、「より困難になっている」との認識を示した
●稲嶺市長は現地時間8日、米議会の院内集会で講演を行い「辺野古移設反対の意見が県内の大勢を占め全沖縄で駄目という結論で、米議会の有力議員にも辺野古は無理、非現実的という意見が多い」と理解を呼び掛けた。
●オハンロン上級研究員は、米国内の軍事費削減の動きの中で「在沖海兵隊の撤退は可能」と持論を説明。米軍普天間飛行場は不要となり、名護市辺野古に新基地を造る現行計画は必要ないとの認識を示した
●具体的にオハンロン氏は、在沖海兵隊をハワイやカリフォルニアに移転させるほか、長崎県の佐世保基地に艦船を追加配備し、日本周辺に展開することで、現在の抑止力を維持し、強化することができる、と語った。
●稲嶺市長は「辺野古に代替施設を造る必要がないという案があるなら、日米の実務者で取り上げられたのであろうか。もし協議したなら、駄目だった理由を示す必要がある」と注文した。その後、米紙WSJからの取材も受ける。
日本国民から出ていってくれと言われれば、「仕方ない、そこまで言うなら」と言いやすくなりますし、日本側のピントがずれている間に在日戦力の空洞化を図り、アジア周辺に分散すればよいわけです。
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それにしても・・・騒音や多少の治安問題等はあるにしる、沖縄の人達は「奴隷の平和」を望んでいるのでしょうか。
国として沖縄に麻薬を多用しすぎた反省はあるにしても、戦後60年以上が経過した今なお、なぜ沖縄の人達は自ら麻薬から抜け出ようとしないのでしょうか・・・。
一部芸能界やスポーツで活躍する沖縄の若者は目にしますが、沖縄の高校生全般を支配する無気力感や空虚な空気は、「袖の下」に「たかる」大人達への絶望感から生まれていると思うのですが・・・。
「メア日本部長を擁護!?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-09
「有事直前嘉手納から撤退?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13
「レビン提言とAir-Sea Battle」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14-1
「米海軍は日本から豪へ移動」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-29-2
「2CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-20