EMP兵器と呼ぶのは不正確かも知れません。
通常EMP(Electro-Magnetic plus)は核爆発に付随して発生するモノで、電子機器を破壊する原理は理解されていても、これを兵器として使用することは友軍に対する被害や紛争後の復旧を考えれば困難と考えられてきました。
しかし今日ご紹介するCHAMP(Counter-electronics High-powered Microwave Advanced Missile Project)は、同様の効果をより小規模に制御して発生させる装置をミサイルに搭載して使用する構想を持つモノです。
本年9月末の「Defense Tech」は・・・
●9月22日、米空軍研究所とボーイングは、本年始めにユタ州の試験場で実施したCHAMP初の飛行試験が成功したと公表した
●CHAMPは、High-powered Microwave (HPM)を制御し、時間と場所を選択して特定の地域や目標に照射できる。試験では、装置を搭載したミサイルが機能したことが確認された
●運動エネルギー兵器に代わる非致死性のCHAMPは、電子回路を持つ敵兵器を無効化するとともに、友軍への被害を最小限に抑える
●3年契約で進んでいる約30億円の統合要求に基づくデモ計画は、地上及び飛行間のデモを通じ、技術的リスクと軍事的有用性を確認するモノである。
●2009年4月から開始している契約は、ボーイングが航空機とシステム統合を担当し、Ktech CorpがHPMを担当している。
11月30日付米空軍web記事は・・・
●CHAMP計画の一環として、最近、指向性のデモフライト(Pointing Demonstration)が行われた。
●デモ飛行では、CHAMP母機の航法と指向性の正確性(navigational and pointing accuracy)がデモされ、同時にHPM装置の引き金タイミングの正確性が示された。
●CHAMPは、現場指揮官からの要望に応え、作戦時の各種制約(被害の極限や復旧へ影響極限)を克服し、部隊を敵から遠ざけたままで特定地域を支配したいとの要求に応えるオプションの提供を目指すモノである
●空軍研究所は、複数目標複数射撃が可能なHPMシステムで敵電子システムの拒否、撹乱、破壊を目指している。
●最近数年の研究結果、空軍研究所はHPMによる対電子回路効果を証明した。各種試験が行われているが、指向性デモ(Pointing Demonstration)は主要な試験の一つである。
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まだ先の長い話のようですが、技術的な基礎は確立されているようです
これが敵の手に渡らないことを願うばかりです・・・。
全く関係ありませんが・・・
「川渕三郎51歳の左遷から」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-22
「長谷部誠:心を整える」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-01
「長友を変えた教師」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-22
「クラマーさんの思い出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-30