豪が米のF-35計画を精査へ

f351.jpg豪州はF-35の共同開発国として約100機の購入を予定しており、2018年頃に迫る24機のFA-18の引退に備える予定です。
しかし、F-35の開発が遅れて供給時期がずれ込んでおり、「能力に穴があく」前に手を打ってEA-18タイプを「つなぎ」として購入するかどうかの決断を来年初頭期限で迫られています。
本年7月、豪州のスミス国防相は米国のTV番組に出演し、「第一段階契約の14機以上の購入については何も決断していない」、「徹底的な生産供給に関するアセスメント調査を行う」、「ロッキード社の計画管理に懸念を持っている」と明確な警告を米側に発していました。
そんな中、ロッキード豪F-35計画担当者は・・・
AUsmithDM.jpg●昨年から豪国防大臣によって始まっているF-35計画再評価の一環として、豪国防省のDefence Materiel Organisationから派遣されたリスクアセスメント調査チーム(Scheduled Compliance Risk Assessment Methodology (SCRAM) team)が、豪州へのF-35納入計画の再調査を開始した。
●同調査チームは、米軍の統合プロジェクト室によるtechnical baseline reviewの見積もりを、基礎から再精査する。
調査チームは年末までに、New Air Combat Capability (NACC) project officeを通じて豪政府に結果を報告する。
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ea-18ggro.jpgこのように大々的に調査をぶちあげて、「結果大丈夫」という結論に導くのかもしれませんが、「だめだったらEF-18タイプでつなぐ」との明確な代替案も示しているところが、豪政府や豪国防省のわかりやすいところですし、国民としても素直に聞けるでしょう。
ところでキャノングローバル戦略研究所部サイトに、米政府に近い方のF-Xに関するコメントが・・・
eurofighter.jpg●現在、日本は次期戦闘機の選定を進めているが、F-35をすぐ導入できないのであれば、つなぎのものとしてF-18ではなくユーロファイターを導入するが良いのではないか。
●自分が過去にBAEで働いていたからそう言っているのではなく、F-18よりもユーロファイターの方がF-35との相互運用性も高く、性能的にも日本の所要に合っていると思う。
米国は最初は怒るかも知れないが、2~3カ月で平静を取り戻すであろう。
●なお、以前、日本はF-22を買いたがっていたが、何をしたいのかを考えてから何を買うのかを決めるべきである
「豪は14機のみ購入確約」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-27
「F-35輸出商売は好調」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-27
「米空軍F-35は航続距離不足」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-14
「空海軍用F-35は2017年以降」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-04-24

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