X-37BがSシャトルの代替?

本日は(も?)少しマニアックなお話です。
X37b-spaceplane.jpg以前何回か、X-37Bという米空軍が担当しているスペースシャトルのように再利用可能な無人の宇宙飛行船をご紹介しました。
アトラス5ロケットの先端に取り付けて打ち上げられ、長期間宇宙に滞在して「謎の実験」を行っているもので、昨年の第1回実験では約220日間宇宙に滞在し、自力で滑走路に着陸し地球に帰還しています。
「謎の実験」なので中身は不明ですが、関係者は「大成功」と評価しており、現在は2機保有の2号機が宇宙空間で「謎の実験」を継続中です。Fox Newsより
米空軍の緊急能力室(Rapid Capabilities Office)が担当していることや、昨年の実験で頻繁に軌道を変更していた様子が確認されたことから、軍事用の偵察や通信衛星が被害を受けた際の緊急代替アセットを投入したり、敵衛星の位置を詳細に把握したり、工作活動に従事するのでは???と噂されているX-37Bです。
しかし一方で、最近の国防予算削減の議論の中では、X-37Bを巡る形勢は余り良くなく、今後どこまで「X」の名前で開発を行うのか等、不明確な点を指摘する報道も見られるようになっています。
そんな中、航空宇宙研究機関主催の会議で講演したボーイング社のArthur Grantz実験システム部チーフ技師が、X-37Bを少し改良することで国際宇宙ステーション等への輸送手段や将来の宇宙観光用として活用できる等、民政分野への応用可能性についてアピールしました。
Arthur Grantz氏は講演で・・
●X-37Bは将来、低高度から中高度までの種々の軌道に実験機材等(free-flying satellite)を投入し、ミッション終了後、再び低高度でX-37Bで捕まえて回収することを計画している。
●X-37Bは、スペースシャトルの貨物室(約18m)に収まるほど小さい。長さ8.8 metersで幅4.5 metersの大きさであるが、これを165から180%大きくすることで低高度軌道への人間や貨物投入用として大きな潜在能力を発揮できる。
X-37B-2Taxiing.jpg例えば国際宇宙ステーションでの実験の重要科目である物質の合成や精製によって出来たサンプルを、大きなGを掛けることなく1.5G程度で地球に持ち帰ることが出来る。また衝撃に弱い装備品を運搬することが可能となる。これはカプセル改修等と異なり滑走路着陸の大きなメリットである。
●また有人型にすることも可能であるが、無人で滑走路帰還できることも有人のSシャトルに比して魅力である。
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無理矢理の民間活用可能宣言のような気もしますが、何とか旨く活用できれば・・と願わずにはおられません。やっぱり宇宙には夢のようなモノが漂っている気がします。
それにしてもGrantz氏の話からすると、X-37Bは緊急宇宙アセット投入用のほかいろいろな工作任務にも応用可能な気がします。
「米が宇宙アセット防護計画」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-09-16
「X-37B関連小ネタ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-04
「X-37Bをご存じですか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-20

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