特殊部隊のため連携強化

LumpkinSOPLIC.jpg30日、ランプキン国防次官補代理(Michael D. Lumpkin 特殊作戦、低列度紛争担当)が全米国防工業界の統合任務会議で講演し、特殊部隊の能力向上や効果的活用には、多様な関係組織との協力強化が必要だと語りました。特に厳しい財政下では・・・。
最近、中国とインド関連でも「国防次官補代理」と呼ばれるポストの方を紹介したところですが、それぞれに当然のことながら自身の担当範囲の重要性を訴えています。
いずれも米国防省HP記事からの紹介ですが、厳しい予算削減を前にして、自らの担当分野の生き残りを賭けてのアピール合戦の様相です。
ランプキン次官補代理は・・・
●911事案以来、特にビンラディン殺害作戦では、特殊作戦部隊はより活動的に、そして米軍全体が特殊作戦部隊とより統一的に活動を行うようになってきている。
●そして国家や国民からの認知度は、時に率直に言って私が望むよりも高まっている。そしてビンラディン作戦の印象が消えても、非政府アクターの増長や破綻国家の不安定化、そして先進技術の拡散によりそのニーズは増え続け、任務へのニーズと任務の厳しさは過去10年と変わらず、10–20年後にも変化はないだろう
SOF.jpg最近10年間で約2倍に拡大した特殊部隊の訓練と装備品取得は、引き続き重要な課題である。
アフガンとイラクの教訓で最も大きいのは、対テロ、COIN、紛争後の安定化作戦の計画から実行段階の全てに渡り、作戦の成功は文民と軍人組織の緊密な連携に掛かっている点である。
特殊作戦部隊の兵士は、文民機関、開発機関や外交官の能力や役割に精通していなければならず、麻薬退治や多国間の犯罪組織対処や対テロにはこの協力関係が必要である。
●「小規模な戦争」は、国家レベルのハイエンドな防空能力に穴を開けることが出来る
戦いの技術改良の面でも軍と文民機関の協力が重要である。装備品調達に関し、私の職場がCTTSO(Combating Terrorism Technical Support Office)を監督している。この機関は、国内外に所在する100以上の対テロ米機関の装備に関する要望や要求を取りまとめて迅速かつ効率的に調達する機関である。
将来は米本土から離れた地域で小さなグループで活動する機会が増えると予期されるため、機動性や通信能力や監視能力強化の技術が重要になる。この際、軽量で機動性のある車両や航空機と新技術を組み合わせることが必要。
●小規模な戦争用には、機動性があり長時間滞空でき、静かに滞空できる耐久性を持った装置が、我に近接したエリアで活動する事により兵士の要望に応えることができる。輸送用のシステムも必要だ。
SOF2.jpg●近接航空支援が出来る装備、相応な武器を搭載して4時間以上在空して地上部隊を支援するような装備が将来の戦いでは必要。以上のような低コストで柔軟性がある飛行システムは、海外での特殊作戦だけでなく、国境警備にも活用できる。
●垂直離着陸能力や長距離高速侵入能力、脱出支援や補給輸送任務を、防御が強固で政治的に機微な地域で行える装備も必要。
●これら将来要求を実現するため、特殊部隊と研究機関と通常軍種が一堂に会して議論する場(サミット)を設置した。部隊と研究者が顔を合わせ、革新の速度を上げ、ニーズに迅速に対応したい。
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非常に堅い説明になってしまいましたが、特殊作戦には他の政府機関やNGO、外交官等々の協力が欠かせない。装備品開発や調達に関しても、統合や研究機関との連携が鍵になる、とのお話です。
縦割りの組織では、益々非効率になってしまうのでしょう・・・。
「Small War」の概念や今後の用法については注意が必要かも知れません。
現代の軍事力を考える
「軍事力使用の3原則」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-07
「米外交の軍事化を警告」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-15-1
「軍事と外交が一丸となって」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-02-03
「禅の思想で対テロやCOINを」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-07-31

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