28日、次期海軍トップ(海軍作戦部長)のグリーナート大将(Adm. Jonathan W. Greenert)が、上院軍事委員会に承認を得るため登場しました。昨日ご紹介した統合参謀本部議長候補のデンプシー陸軍大将と同様に、多様な質問を議員から受けたようですが、米国防省HP記事からその一端をご紹介します。
米海軍の現状について
●約半数の艦艇が航行して任務や訓練を行っている。そして艦艇の43%が母港を離れて活動中である。
●12000人の海軍兵士が地上で中央軍の作戦に従事し、別に10000人が現在進行中の作戦に直接関係している。
●海軍の任務は、海上における安全保障と自由航行を全てのドメインを通じて確保し、世界経済の発展に寄与する事である。
●そのため、海軍は前方展開し、諸事象に影響を行使し、同盟国を支援して米国に海上からの行動オプションを提供する。
予算削減検討について
●海軍は国防省の検討チームに所用のデータを提供したが、現在は主な検討には関わっていない。ただし包括的戦略的見直しの最終段階には関与できるものと聞いている。
●削減のオプションは限られており、空虚な海軍を受け入れるわけにはいかず、縮小するだけでは現任務を継続できない。また装備の更新を止めれば産業基盤が維持できない。
中国に関する見方
●6月に中国当局者が明らかにした空母建造については、彼らが求めて止まない一つのプロトタイプであろう。究極的には彼らのニーズにあった自国製の空母を考えているのであろうが。
●空母は究極的に攻撃的装備だが、パワープロジェクションにも効果を発揮する。彼らは防御目的で建造していると主張するが、その意図を理解するのは難しい。
●中国海軍の最近の能力向上は、作戦能力を外洋海軍のそれに拡大しようとしているものと見られる。これには水中深い領域も含む。
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グリーナート大将は潜水艦乗りです。複数の潜水艦勤務とUSS Honolulu艦長を経験し、現職の海軍副作戦部長に就任するまでは、横須賀を母港とする第7艦隊司令官兼太平洋官軍司令官として中国の動向をつぶさに見てきた方です。
目新しい内容では無いので、写真で新しい海軍トップのお顔を覚えてください。ちょっと船乗りとは雰囲気が異なる(特に現トップの強面ラヘッド大将と比較し)ような気がします。
「論争:中国空母は脅威か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-28
「空母はまだ有効なのか?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-08-1
「中国海軍の何を恐れる」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-08
「石破茂・元防衛大臣の疑問」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-21
「画像中国空母Shi Lang施琅」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-05-08
「中国内陸の武漢に空母出現」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-02