輸出用F-35は同等のステルス性か?

見慣れないイタリア人記者が質問した
「共同開発国が入手するF-35は米国用ほどステルス性がないとの情報があるが本当か?」・・・・会場は「馬鹿な質問を・」との雰囲気に包まれたが、ロッキードと米国防省関係者の曖昧・意味深な回答に、その場の雰囲気は一変した。
F-35stealth.jpg21日、パリエアショー開催中に現地で行われた、ロッキードとペンタゴン関係者のF-35に関する記者会見は、豪ネット情報を取り上げたイタリア人記者による冒頭の質問により一気に盛り上がりを見せたようです。
開発の遅延、コストの度重なる上昇、垂直離着陸型の失速々等々、国防予算のパイが縮む中でその問題が存在感を増す悲しいF-35ですが、新たな問題か?と記者団も色めき立ったようです
まずロッキード関係者(Tom Burbage)は回答で・・・
●豪のネット情報がどこから出たものかは定かではないが、パートナー国を含むF-35開発に関わる人から出たものではないと思う。恐らくF-35開発計画に詳しくない人から出た情報だと思う。
●私が申し上げられるのは、この航空機の能力は非常に高く、9カ国の共同事業として進められている。そして関係国は開発に関する全ての情報にアクセスが可能である。
この曖昧な回答が会場内をざわつかせた
国防省のF-35開発副責任者C.D. Moore空軍少将
F-35-2.jpg●コアとなる要求事項である低視認性、レーダー反射率に関しては我々は要求を満たしている
●(ただし)搭載兵器システムを含めた機体の攻撃力、残存性能については、機動性や運動性能、センサーの組み合わせ等、様々な要素が総合的に発揮されるものである
●種々の兵器システムの組み合わせについて言及する変わりに、私が言えるのは、我々はパートナー国が求める要求事項を満たすため最大限の努力をしており、それぞれの国が最終的に各国のニーズに応じた選択をしていると言うことだ。
Aviation WeekのAmy Butler記者は本件について(概要)
豪のネット情報は誤りではないが、正確でもない全ての機体は同様の低視認性を具備しているが、搭載システム全体の組み合わせによって、その「ステルス性」には違いが出る。
●レーダー反射だけでなく、IRや通信機器からの電磁波放射等様々な観点でのステルス性があり、各国のニーズと予算を勘案して機体をシステムとしてくみ上げる結果として、全てが一様な「ステルス性」を保有するわけではない
●ただ、相互運用性を考えた場合、開発パートナー国の機体があまりにもバラバラだと、作戦運用上支障が生じるのではないかと懸念している
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F-35.jpgまたまた「東スポ」的な見出し、書き出しで恐縮ですが、勉強になりました。日本はどうするのか知りませんが、機数の数あわせのため、機体だけは大量に購入し、付加システムを削って全体の「ステルス性」が損なわれるようなことが無いようしていただきたいモノです。仮にF-35にするのであれば・・・
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