21日、米空軍宇宙コマンドの第14空軍司令官に女性のヘルムス中将(Lt. Gen. Susan Helms 1月に昇任)が就任しました。
第14空軍司令官は米空軍宇宙コマンドの司令官の指揮下にありますが、作戦時には米戦略軍の中で宇宙作戦関連の運用を指揮するJFCC Space(Joint Functional Component Command for Space)司令官となります。
つまり、2万人以上の兵士を率いて衛星打ち上げと衛星運用を担当し、ミサイル警報や宇宙空間の状況監視を実施、そして継続的な宇宙優勢を提供する任務遂行が求められるます。
●ヘルムス中将(推定53歳)の経歴概要は・・・
—空軍士官学校を1980年に卒業後、まず飛行試験エンジニアとして30機種以上の航空機に搭乗して試験を行いました。
–その後宇宙飛行士としてNASAに転身、1993年に米女性軍人として初めてスペースシャトルに搭乗、以後これまでに計5回の宇宙飛行で211日の宇宙滞在(国際宇宙ステーションクルーも経験)と約9時間の宇宙船外活動を経験している宇宙の大ベテランです。
ヘルムス中将の前任者は、在横田の第5空軍副司令官でもあったジェームズ中将(Lt. Gen. Larry James)で、空軍参謀本部の要職ISR部長へご栄転です。
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またヘルムス中将の上司となる米戦略コマンドの司令官も、28日にチルトン大将からケラー大将(Gen. C. Robert Kehler)への交代式が行われたところです。宇宙関連やISR分野で人事のてこ入れが行われたわけです。
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第14空軍司令官は重要なポストですし、今後作戦面でも大きな環境変化や運用見直しが予期される注目ポストです。
宇宙飛行士としての搭乗が、93年、94年、96年、00年、01年と連続しており、実務面でこれほどの経歴を持つ高級士官がそういるとは思えません。その能力の高さが伺えます。
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