ゲーツ長官の慶応大学講演とQ&A

gatesKeio.jpg14日午前、ゲーツ長官は慶応大学で日米同盟に関する講演を行い、続いて質疑応答を行いました。
講演と質疑のトランスクリプトは公開されていませんので、講演と質疑に関する米国防省HP記事からその概要をご紹介します。
ちなみに・・指3本は、北朝鮮問題には米韓日3カ国の協力が必要だと説明した時のものと思います。
米国防省HP掲載→ 講演関連記事 と 質疑関連記事 と 講演原稿(追加)
しかし・・・・首相と外務大臣と防衛大臣との会談終了後の記事がわずか1本なのに対し、大学での講演が2本の記事で紹介されるとは・・・・
まあ・・・公に出来ない濃密な会談だったのでしょう・・公に出来ない緊密な連携が図られたと願いつつ。。。
講演の概要は・・・(まずい訳で失礼)
●1960年、米日同盟は経済や軍事的な必要性からだけではなく、共通の価値観に基づき締結された。そしてこれまで、侵略や抑止し、地域に安全の傘を提供した。
●多くの脅威の中には、自然災害や北朝鮮のように数十年前からあるモノもあるが、最近では世界的なテロやサイバー攻撃、核拡散などがある。そして全てに共通なのは、それへの対応に複数の国が協力しなければならない点である。そしてそこには地域のキープレイヤである米国と日本が常に必要である。
●国際平和維持維持活動や災害対処に安全の輸出者として参画し、より活動に参加する意志を示すことで、日本は他の偉大な民主主義国と肩を並べるに相応しい位置に着きつつあるこれが日本が国連安保理の常任理事国メンバーになる合理的な理由の一つである。
●地域や国際社会の枠組みで働くことが、我が同盟をアジアの最も困難な安保課題に対峙するに適当な位置に着かせてくれるのである。国際社会の希望や努力とは裏腹に、北朝鮮が態度が変化しない状況はこのことの重要性を思い出させてくれた。
gatesKeio2.jpg●(中国との軍事交流再開について)たとえ特別な合意を生み出さなくても、この対話は相互理解を促進し、誤解や誤認識の教訓を学ぶ機会を与え得てくれる。冷戦時のソ連との関係とは環境が大きく異なるが、それでも対話の重要は変わらない。
●複雑で危険な課題に直面し、これまで以上に我が同盟は重要で必要性が高い。そして同盟の活力と信頼性を維持するためには、脅威や現在の軍事動向に対応した、軍事態勢や取り決めを近代化する必要(requires modernizing our force posture and other defense arrangements)がある。ミサイル防衛分野での協力は一つの重要な分野である。
●相互の支援、先端技術協力及び情報共有が良い同盟関係を反映するモノである。
●新防衛大綱は2国間の協力関係を更に深化させるモノであり、南西方面の重視は我々の兵力配備(our force posture)の重要性を裏打ちするモノである。
●協力には米軍の前方展開基地が必要で、それがなければ、北朝鮮の挑発行為はより激しく悪化し、中国は近隣国により自己主張を強く行動する可能性がある。(その後、普天間の辺野古移設に理解を求めるフレーズ少し)
米国は、米軍の規模や必要経費と格闘しているが、同盟国と共に立ち向かう(America will stand by treaty allies)。このために、能力を備え同盟に関与する日本が必要である。そして米日同盟は、国際秩序の基礎として、また共通の価値普及を推進する道しるべや安定を確保する揺るぎない力であり続ける。
質問に対する回答(Qは不明ながら)・・・
●米日同盟により、日本はGDP1%以下のコストで、半世紀以上にわたって安全を確保した。経済的観点からすれば、同盟は日本にとってお得だと言える。
●(中国に関して・・・)日本と米国にとって懸念であり挑戦である。(中略)中国の文民と軍人の間には結節の兆候がある。数年前のインペカブルへの対応や3年前の衛星破壊実験を中国文民指導者は事前に知らなかったようだし、J-20の初飛行の件も承知していなかった明らかなサインがあった。
●これらは官僚組織におけるミスだろうが、私は懸念している。だからより深いシニアレベルの文民と軍人の両方を含む対話の場を強く求めたのである
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gatesKeio3.jpg噛み砕いて分かりやすく・・・日本国民の皆さん・・分かってください・・・。この努力には頭が下がります。
少なくとも、金曜日の朝に参集した学生さんには、日本のリーダーとの姿勢の違いを印象付けたものと思います。
今回の日本滞在間、ゲーツ長官は日本側関係者と夕食会を持っていません。防衛大臣との昼食会1回のみです。夕食会のチャンスが2回あったのに・・・。
前回訪日時は夕食会を突然キャンセルしたと聞きましたが・・・昼飯でも少しは進歩か・・・それも北朝鮮問題のお陰か・・・
ちょっと目的が異なりますが・・・講演シリーズ
士官候補生への講演
「海軍士官候補生には・・・」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-09
「士官候補生に語るシリーズ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-10
「空軍士官候補生に厳しく語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-06
学生の卒業式や少年への講演
「CIAでの失敗を高校で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-25
「大学で「公への奉仕を」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-12-22
「ボーイスカウトの精神を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07-29
「ROTC学生へ 4軍が抵抗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-07
「空軍は単に飛んでいたいのか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02
「特殊部隊にもっと女性が」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02-1

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