険しい山岳地帯と未整備な道路状況から、軽装甲車やヘリコプターが重宝されてきたアフガニスタンに、米軍が初めて戦車14両を配備することになりました。
配備される戦車はM1A1戦車で、米軍保有の最強戦車です。また戦車と共に115名の海兵隊員も12月に現地へ赴きます。
これまでカナダとオランダ軍が戦車を現地に送っていますが、米軍がアフガンに戦車を送るのは9年以上に渡る戦いの中で初めてです。
米国防省関係者は戦車派遣について、海兵隊員がタリバン等を人口密集地帯に近づけないため、またタリバン等の拠点に侵攻する際や仕掛け爆弾が多い主要交通路のパトロール時にも活用されるだろう、と述べています。
米国防省HP記事は本件に関し、アフガン南西エリア担当の司令官する海兵隊のミルズ少将(Marine Corps Maj. Gen. Richard P. Mills, commander of Regional Command-Southwest)のコメントを紹介しています。
ミルズ南西コマンド司令官は・・・
●アフガンの東部や北部と異なり、南西部は開けた平らな部分が多く、戦車の運用が可能である。地域情勢を分析評価し、ペトレイアス司令官とマッテス中央軍司令官の許可を得て戦車の配備を決定した。
●M1戦車の120mm砲は、野戦砲や迫撃砲、空爆よりも正確である。また機動力もこれまでの地上戦力より優れている。
●地域住民は、ソ連のアフガン侵攻を当時のソ連戦車(T-55, T-62 and T-72)と結びつけて記憶しており、戦車に対する嫌悪感が強い。そこで我々は各地域の住民リーダーと話し合い、現在の情勢と戦車の必要性を説明してきた
●戦車の投入が戦いの激化を意味するわけではないことを強調しておく。我々はこれまでも、アフガン国民に治安維持を委譲するために全てのことを行っていた。それを今後も続けていくだけだ。
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「激化を意味するわけではない」と言われれば、戦いが激しさを増しているのだと感じてしまいます。現地での戦いがますます厳しく困難な段階に至っていることを示しているのでしょう。
しかし・・・戦車の話を久しぶりに聞きました。
おまけ
「読売も社説:陸自削減を」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-21
「国防より組織防衛」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-11-16
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