米空軍のC-130心理戦部隊

EC130psyops01.jpg11月号のAir Force Magazineが「新たな心理戦の方法(The New Way of Psyops)」との記事を掲載し、非公開な部分が多いEC-130Jの活動と今後について部分的ながら紹介していますので、理解不十分ながら紹介いたします。
EC-130J部隊の概要
●州空軍に属する第193特殊作戦航空団(193rd Special Operations Wing)は1800名の州空軍兵士と450名の技術者から構成されており、米空軍と米特殊作戦軍の最も多忙な部隊の一つである。
●同航空団は7機のC-130を保有し、その内3機がEC-130Jで、主にテレビから短波までの放送手段を用いて、従来「心理戦」と呼ばれていた任務を行っている。
●C-130を改造したEC-130Jは、非常に重い機体となっており、離着陸には注意を要する。また、真空管を使用した機材から最新の機材までを混在して搭載しており、1万ワット出力のテレビ放送が可能である。
空軍の心理戦飛行部隊の経緯
●その必要性はキューバ危機の際に認識されたが、国防省はその当時から州軍にEC-121の部隊を編成した。特殊な技能、継続的な人材活用と育成が念頭にあって州空軍での運用となった様である。
●ベトナム戦から193航空団は活動し、83年にはグレダナ、89年にはパナマのノリエガ政権に対し、そして湾岸戦争時はイラク兵に降参し投降するよう呼びかけた。
●94年にはハイチに戻るアリスティード将軍を支援する情報をハイチに流し、本年1月に発生したハイチ大地震直後にはハイチ政府からの災害情報や米国政府からのメッセージを含むVOA放送をAmやFM周波数で14時間連続飛行ミッションで中継放送した。
●その一つの功績として、ハイチ唯一の国際空港が人や航空機でパンクするのを防いだことが挙げられる。
EC-130Jの活動と今後の展望
EC130psyops02.jpg●最近、任務の呼び方がこれまでの「心理戦(Psyops)」から「MISO(military information support operations)」へと変更になった。その背景には、国外の聴衆に対して影響を与えようとする全ての活動を含むとの概念の拡大がある。
●また前線でニーズから、電子攻撃にもEC-130Jが活用される場面も出てきた。搭乗員によればスイッチの切り替えで比較的簡単に対応できる様だ。
米陸軍の同様の任務部隊である第4心理作戦軍とも部隊間の交流を図っている。公式な関係はないが、年2回は互いに装備や運用について意見交換する。
C-130J全体の任務多様化策
●193航空団の他の4機のC-130Jは、パレットに乗せた装備を入れ替えることにより、複数の任務に対応できる仕様を目指しており、来年4月までにテスト用機材の導入を予定している。
●その仕様には、指揮統制、ISR、MISO等の複数のパレットが準備される模様。電子攻撃もその一つのなるだろう。
EC130psyops03.jpg●国内災害対処に活動した経験はないが、ハリケーン・カトリーナの後のような状況下では、被災者への情報伝達用に活用するオプションも今後生じるであろう。
●この分野は非公開な部分が依然多いが、最新の技術を活用したテレビやラジオ以外手段でのメッセージ伝達法についても視野においている。(以上が記事概要)
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皆さんが期待されたような内容でなかったかもしれませんが、このような地道なミッションの積み重ね、又は多用な手段の保有が今後の複雑な脅威環境には必要なのかもしれません
しかし・・いろんなノウハウが蓄積されてるんでしょうねぇ・・・。
C-130関連記事
「そり付きC-130」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-21
「特殊救難とその他」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-23

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