ベトナムで12日の拡大ASEAN国防相会議に出席したばかりのゲーツ国防長官ですが、13日には専用機に乗って早くもブラッセルのNATO本部へ移動です。NATOでは14日の国防相会議と「2+2」(外相プラス)会議に出席です。米国防省HP記事より
移動日の13日には他にも、ナポリターノ国土安全保障長官との連名で「国防省と国土安全保障省のサイバー安全保障業務に関する覚書」締結の声明を発表し、「.mil」と「.com」の世界が協力し、新たなサイバードメインに取り組む米国の強い決意と姿勢を内外に示したところですが、それにしても超過密案なスケジュールです。米国防省HP記事はこちら
NATOと言えば・・・
●11月にリスボンでNATO首脳会議が予定されており、会議の焦点である「アフガン作戦の進捗説明と多国籍軍派遣国の継続支援取り付け」が米外交本年の最大の山場となります。
従って14日の国防相及び「2+2」ではその下調整や根回しが・・・と予想したのですが違いました。
●ゲーツ長官は「明らかにその話題はリスボンでの突出した議題だが、明日は違う。リスボンサミットでの他の議題についての前進し、合意を得るために皆が時間を割くのだ」とハノイからの移動機内で同行記者団に語りました。
(NATO改革関連の過去記事)
「NATO改革にも挑む」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-12
「ゲーツ改革のまとめ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
将来のNATOにとって重要な「他の話題」とは・・・
●NATOの新たな戦略コンセプトについて合意し、出来れば(将来必要で)NATOとして焦点を当てて取り組むべき緊要な能力についても理解を得たい。例えばミサイル防衛、IED(簡易爆弾)対処、サイバー防衛、航空機の指揮統制システムなど約10項目がこれに当たる。
●NATO組織のスリム化。現在14ある下部組織を3つに統廃合する案の検討。「米国が取り組んでいるように、削減して浮いた資金は緊要な能力強化に当てる方向を考えている」
●ミサイル防衛分野では、各国独自の防空システムの指揮統制システムをソフトウェア面の対処でリンクさせようとするものである。資金的に小さなもので、既に合意しているものに加え、今後10年間で1.5億ユーロ程度を必要とするものである。ミサイル防衛自体に関しては、イランの弾道ミサイルに対処するために広範な支持を得ている。
●(NATO同盟国が軍事費削減の動きに出ている点に関し・・)それぞれの国の事情に基づいて決定されるべきものである。しかし私は、同盟国の国防費削減によって生じるギャップの穴埋めを米国に期待するのでは、と懸念している。
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アフガン件も無論話題に上るのでしょうが、記者にはとりあえずこのような説明ぶりなのでしょう。
ハノイでも、バイ会談後、全体会議前の会見で「中国問題が話題になったか?」との記者の質問に対し、「バイの会談では特に話題に出なかった。明日の全体会合でその話は出るだろう」とかわしているところです。
それだけ機微なトピックと言うことでしょう・・アフガンと中国は。
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