茂田宏氏のブログ「国際情報センター」15日付記事で、米によるサウジへの600億ドル武器売却計画が扱われています。日本の防衛予算が年間約500億ドルであることを考えると、以下のこの額が巨大であるかが分かります。
ちなみにWSJ紙を引用してその取引の中身について茂田氏は
●今週または来週にも出される議会への通知で、サウジは84機の新型F-15、70の既存F-15の改修、70機のアパッチ・ヘリ、72機のブラック・ホークス・ヘリ、36機のリトル・バード・ヘリを購入するとされている。ただし、サウジは当初はその半分を買う約束をするとされている。
●加えて、サウジ海軍近代化のために300億ドルの装備についての話し合いが行われている。沿岸戦闘艦、沿岸近くで作戦できる水上艦が話し合われている。さらにTHAAD(終末高度防衛として知られるミサイル防衛システム、パトリオット・ミサイルの近代化も米は勧めている。イランのミサイルに対抗しうるとしている。
・・・と紹介しています。
しかし茂田氏の最も強く主張するところはその後にあり・・・
●1973年の中東戦争の際、アラブは石油戦略を発動した。日本は米と並んで、オランダとともに非友好国とされ、石油輸出量の削減対象国になった。
●これを解除してもらうために日本はいわゆる油乞い外光を余儀なくされた。その時、サウジに英仏が友好国で日本がそうでないというのは納得できないと言ったところ、サウジ側から、英仏はサウジの安全保障に協力して、武器を売ってくれている、日本も武器を売ってくれるのであれば、友好国にすると言われた。
●日本は武器は売れないということで、対イスラエル政策を見直すということで、友好国扱いを得た。これがユダヤ人、さらに世界に日本の無原則さを強く印象付けた。
●そもそも日本は自分の安全保障のために大量の武器を輸入している国である。にもかかわらず他国が自分の安全保障のために武器を買いたいと言う時にはこれを断ってきた。これは偽善的ふるまいである。
●その上、外交の手段として武器輸出は重要な役を果たす。中国はどんどん武器を輸出している。日本の武器禁輸政策のような理念も何もない偽善的政策、自らの政策の手を何の利益もなく縛るようなことは早くやめるべきであろう。そんなことをしている余裕はない。
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(関連記事)
「安保・防衛懇「報告書」を見る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-08-31
いつもながら、分かりやすい主張です。
「国際情報センター」のサブタイトル・・「的確な国際情勢判断をする国民、それが国の進路を誤らない最大の担保です。」が茂田氏の姿勢を表現しています。
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