マレン統合参謀本部議長は現在、「Conversation with the Country」と銘打った国民との対話集会をアメリカ中部の主要都市で行っています。
対話やスピーチの外に、シカゴではメジャーリーグの始球式に登場したりと大忙しの様子ですが、26日デトロイトの経済クラブでの集会ではタイトルの発言をし、米国防省は軍需産業等と一体となって無駄を削減し、必要な分野での予算の伸びを確保して、国家の財政赤字削減に貢献しなければならないと訴えました。
発言自体はゲーツ長官が戦闘になって取り組む「Overhead Cost」削減運動の中身に沿ったモノですが、軍人が国家財政や地域経済の問題について触れるのはあまり例がないことかと思いますので、米国防省HPの記事から簡単にご紹介します。
Detroit’s Economy Clubでマレン議長は・・・
●米国は年間約50兆円を負債の利子払いに支出している。これは国防予算の額にほぼ等しい。この問題に対処するため、国防省は無駄な経費の削減に取り組まなければならない。
●デトロイトは最も不況の影響を受けている都市の一つであるが、退役軍人を雇用する健全な軍需産業を私は求めている。私は年間約9兆円の調達予算を持っているが、退役軍人を雇用してくれる企業にはプラスに働くような事を考えていけるようである必要がある。
●今国防省は調達取得の改革に取り組んでおり、研究開発管理を厳格にして無駄をなくし、必要な部分に予算が配分できるよう取り組んでいる。産業界の指導的立場の皆さんにもアイデアを出していただきたい。
●軍の制服を着た兵士が前線で困難に立ち向かっているように、産業界の皆さんや労働者の皆さんにも愛国心を発揮していただき、それぞれに少しづつ国家のケアのために取り組んでいただきたい。
●同時に民間産業のリーダーや地域政府には、退役軍人を社会に取り込み労働力として活用して行く方法を考え決心していただく必要があると考えている。
●過去10年間で国防予算は倍になったが、この間国防省が十分に予算の節減に注意を払って来なかったことは事実である。開発計画や調達について困難な(削減の)決断を避けてきたのである。
●産業界と健全な国防財政のため、我々は産業界と共に問題に取り組まなければならない。我々を取り巻く脅威と国民の血税に真摯に向き合うためにも。
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イラクやアフガンから帰還した軍人が社会や家庭に適合できないことが社会問題となって言います。アカデミー賞映画「ハート・ロッカー」でもその一端が描写されていましたが、目を背けたくなる場面でした・・・。
そんな風景が広がる米国中部地帯。マレン議長は25日シカゴ、26日デトロイト、27日はクリーブランドを回って地域のリーダーと対話します。大変な仕事です。
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