QDRの公式評価書を公表

william j. perry.jpgStephen Hadley.jpg公表されたレポート「The QDR in Perspective: Meeting America’s National Security Needs in the 21st Century」とは、昨年制定された法律に基づき、米議会が独立した専門家グループに「QDRを吟味し、足らざる部分や修正が必要な部分について独自案の作成を要求」した結果出来上がったもので、米国時間の29日に公表されました。
ゲーツ長官が指名した12名と議会が指名した8名からなる20名の専門家グループのリーダーは、ペリー元国防長官(写真左:クリントン政権)とハドレー元安全保障担当大統領補佐官(写真右:2代目ブッシュ政権)の2人です。
27日付「DefenseNews」がそのサマリーを入手し、概要を報じています。
中身は当然2010QDRに対し批判的で・・・
2010QDR2.JPG●今後5年間で約9兆円程度の経費節減では、将来の脅威に対処する装備の近代化をまかなえない。
2010QDRは将来を十分に見積もっていない。非公開部分のQDRに含まれている大部分の基礎的見積もりは5年程度の将来しか見ていない。
●現QDRの示す戦力組成は、中国の軍備増強を前にして、同盟国へのコミットメントを十分に果たせないだろう。戦力を、Anti-access対処を含む分野で増強すべきである。
●地上部隊に関しては現QDRと同様に現勢力レベルを維持することに同意するが、海空軍に関してはより大きな戦力が必要である。
●現有プラットフォームの近代化は少なくとも数量維持で行うべきで、海空宇宙アセットに関しては近代化に合わせ増加すべきである。
●現QDRとの違いは、第1に全ての近代化を目指し、次に現装備より遙かに長距離能力を備えることが特に重要
●現QDRの装備では、かつて無いほどに不安定な太平洋地域で米国のコミットメントを確保できない。海洋戦力に主に根ざし、必要な他の要素も備えた堅強な米軍戦力組成が必要不可欠(以上がDefenseNews記事)
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(ご参考)
2010 QDRと「Joint Air-Sea Battle Concept」の関連記事一覧はこちら 
eagle2.JPGしかしこの「DefenseNews」は経費のことを全く触れていませんが、どうなっているのでしょう・・・。中途半端な記事の紹介で申し訳在りません。何か分かりましたら追加でレポートします。あしからず・・・
まあしかし、「QDRの評価書作成」なるシステムが公式に存在するところが米国の懐の深さででしょう(腕組み納得)・・・・。
米国防省HPにも関連記事が出ましたのでご参考に。。。
 → http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=60235

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