ペトレイアス司令官の手紙

Letter-Petraeus.JPG7月4日、米独立記念日で米国中がお祭り騒ぎの中、ペトレイアス前中央軍司令官が再び前線に立ちました。カブールで開催されたISAF指揮官就任式で、「マクリスタル前司令官の舌禍事件」を受けての緊急事態とは言え、いわば格下のポストを引き受けた同大将です
これに先立ち、同大将の適格性を確認するために実施された米上院軍事委員会は、イラクに続き再び最前線に立つことになるペトレイアス大将を満場で承認し、会場で見守った令夫人へとあわせ、万雷の拍手で見送ったとのこと・・・・
そのペトレイアス司令官が就任式当日の4日、ISAF兵士とシビリアン全員に宛てた手紙を発出し公表しました。一枚の手紙に中に、任務と任務に向かう姿勢が短節にまとめられています
そのレターの概要は・・・
我々は極めて重要な時期にアフガンに勤務している我々は共に、アフガンが再び無差別な暴力と国際的な過激分子に支配されることが無いようにすることが出来る。また我々は、アルカイダがアフガンから我々の祖国やアフガンの人々に攻撃を仕掛けないようにすることが出来るのだ。
我々は先月、手痛い損失を被った。にもかかわらず、相手の野蛮な攻撃を前に、幾つかの重要な進展を確保し、その拡大を図っている。
我々は、意志への挑戦を受けている。我々の敵は、我々やアフガン人民の自信を揺るがすことを狙っている。
●これに対し我々は、その決意を掲げつづけなければならない。この為、我々はタリバンの追求を容赦なく続け、アフガン人への思いを示し、そして我々の生きる上での価値感とその見本を示すのである。
PetraeusMkt.JPG●我々はアフガン人の安全を確保し、アフガン指導者による統治と治安能力育成を支援しなければならない。
●この努力はチームによる取り組みである。外交官や国際機関の人達、そしてアフガンのパートナー達と共に、包括的な軍民一体のCounterinsurgency作戦を遂行するのである。
●我々は決して忘れてはならない、アフガンにおける重要な地形は、アフガン人の人間地形(Human terrain)であることを。
●反乱者を捕らえて改心させ、時には殺すこともある。しかしここでひるむことはない。我々はここで戦いを続けるのだ
●君たちやアフガンのパートナーが困難な状況に陥った時、一般市民の犠牲者を避けることの重要性を再び心に置きつつ、我々は全てのアセットを投入して君たちの安全を確保する。
●太古から続くこの土地に、新たな国家の明るい未来を達成するため、皆と共に全力で当たることを誓うものである。(以上がレターの概要)
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米国は、中東やアジアで自らに起因する部分も多い膨大な課題を抱えており、そのナイーブさに苛立ちを覚えることも多いのですが・・・。それを最前線で支える人からは、教えられること、感じることが多いです。
レターの書名の脇に、自筆で「It is a privilege to serve with you.」と記されています。
Letter Petraeus.JPG
(特集記事)
「ゲーツ改革のまとめと整理」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-17
「400記事記念 反響大の記事特集」http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-18

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