「400記事掲載」を記念して、昨日は本ブログのメインテーマであるゲーツ国防長官の「考え方」と改革の「方向性」について整理し、過去記事を紹介しました。
本日は、過去掲載した記事の中で、反響やアクセス数が大きかったモノを読者の皆様からの反響も交えてご紹介します。
●CSBA中国対処構想関連
「CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
(その2)から(その5)も
「(その6)CSBA中国対処構想」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-24
(しつこく最後) や(番外編) もあり
CSBAレポートの記事には多数の反響・アクセスを頂きました。典型的なご意見の例は・・・・
「時代は変わっている。中国も米国も現実には戦争など起こせない時代だ」
「在日米軍基地の位置づけはどうなるのか。普天間の議論は何なんだ?」
「このレポートの方向なら陸上自衛隊は大幅削減すべき」
誰も戦争など望んでやりません・・・いつの時代も。南シナ海や尖閣や台湾の小島での偶発的な小競り合いだけで、双方引くに引けない状況になる可能性は十分にあります。株価の暴落を伴いつつ・・。
国際政治学を勉強されているらしい方からも、「軍事ゴリゴリの理論では、西太平洋・ASEAN地域を説明するのは難しい」とのご感想を頂きました。Holylandは軍事だけで全てを説明しようとしているわけでは決してありません。ゲーツ国防長官が何でも正しい、と考えているわけでもありません。 Holylandは、国際政治学関係の皆様の専門用語や複雑なシステム理論を駆使する内輪の議論に付いていけないので、凡人が肌で感じるレベルで米国防省の動きをご紹介しているだけです。
普天間関連の議論とのギャップについては、ゲーツ長官のシャングリラでの発言・・「米軍のアジアでの体制は、より地理的に分散し、作戦時の抗たん性(Resiliency)を強化する方向へシフトしている。・・・・・グアムの強化はこの一環である。」が参考になるでしょう。
陸上自衛隊についてのご意見・・・Holylandは反論できませんし、するつもりもありません。「陸上自衛隊が、イラク復興支援で見せた底力を、決して偏狭な組織防衛のために使わぬように記事に書いてくれ」との主旨のご要望意見が複数あったことを付記させていただきます。
また海上自衛隊についても「どうすんだよ~」との主旨のコメントがありました。要するに「空母は1500nm以遠に待避ですか??? 俺たち何やンの??」、「対潜水艦作戦能力だけ有ればOK?? 増強??」、「フィリピン近海まで日本がやるの??」などの懸念の声(どこかの板で盛り上がったらしいです)がありました。
●なぜ空自にステルス機?
「なぜ空自にステルス機?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-26-1
元空将林富士夫氏が航空自衛隊にステルス機が必要な理由を説明した一文を雑誌「軍事研究」から紹介し、ゲーツ国防長官による「足の短い戦闘機から長距離攻撃力へ」との主張との対比を行いました。また、通常兵器を調達する制度が米国内に根付いていることを嘆くゲーツ長官の言葉との対比も試みました。
この記事は「東京の郊外より」の中で、最もアクセス数と反響の多い記事です。ハッキリは判りませんが自衛隊の方と思われるような意見が多いです。
「F-Xが世界の中心にあって、その他は発言も出来ず思考が停止している」、「なぜF-Xが必要なのか、納得行く説明を聞いたことがない。米は戦闘機減らすんだろ・・」、「とりあえず戦闘機、の時代じゃないよ。全体の資源配分についての議論がしたいのに・・・」等々のご意見を頂きました。結構、根本的な部分で問題を感じている人が多いんだなぁ~と感じた次第です。
ゲーツ国防長官の改革への取り組みを目にし、感じていただけるものがあれば、そしてそれが日本の安全保障論議を盛り上げるならばHolylandは幸せです。
また、CSBAレポートの感想と絡めて「CSBAレポートで、日本に5世代機を売却すべし、4世代機の更なる日本への売却、とあるのは完全に米国の軍需産業保護政策だ」、「エネルギー兵器DEWにも気を付けるべき」とのご意見も多数頂きました。140ページあまりの分厚いレポートと格闘して思考が弱っておりましたが、見ている人は見ているんだなぁ~。
●QDRとBMDR関連記事
「(Ver.2)QDRから日本は何を読みとるべきか」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-01-1
「QDRから日本は何を読みとるべきか(Ver.1)」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-07
「BMD見直し(BMDR)の6つの優先事項」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-02-03
「武器輸出管理システム改善とQDR」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-09
「QDRの「(軍需)産業基盤の強化」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-03-08
QDRに関しては、ゲーツ長官の考えを読み解く材料として、皆さんから嫌われるのでは・・と思うほど記事のアドレスを切り張りしてきたのですが、それほどお叱りを受けることなく、大きな反響とアクセス数を頂きました。
全般には「一般報道とは異なり、日本の立場からの指摘が多く参考になった」、「武器輸出や産業基盤など、報道が無視している分野を紹介してくれて参考になった」等、好意的なご感想も多く頂きました。また、「QDR以前の記事で、ゲーツ長官の雰囲気を感じていたので、そんなもんかな」とのコメントもありました。そうで有ればHolylandの記事も役に立ったのかと嬉しかったです。
一方で先日、久しぶりに「東京の郊外より」都心に出て、人混みに紛れながら米軍のそれなりの階級の方数名と立ち話をする機会がありましたが、在日米軍の方はほとんどQDRを読んでいませんでした。やはり米国防省や米軍は巨大な組織・・・トップダウンの勢いが日本に来るにはまだまだ時間が掛かるのでしょうか・・・。日本人の所まで来るには・・・・。
●兵器システム紹介記事
「核抑止の代替?CSMについて」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25
「PGSのHTV-2試験失敗」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-27
このカテゴリー関連では、PGS(Prompt Global Strike)とCSM(Conventional Strike Missile)関連の記事に多数のアクセスを頂きました。
この分野は予算が先細っていたのに、オバマ大統領の核兵器削減と大量破壊兵器の拡散の中で復活してきた感があります。従って、それこそゲーツ長官がしばしば口にする「技術的裏付けや開発計画・予算の厳格な管理」に目を光らせる必要が高い分野であろうと思います。
●その他のカテゴリー
「NHKスペシャル「リーマン予想」に驚愕」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-11-16 ぼけ防止のため、同年代のゲーツ長官以外の分野も取り上げていますが、「東京の郊外より」でアクセス数第2位が「リーマン予想」です。素数恐るべし、です。。NHKスペシャルを見て、驚きをそのまま記事にしたのですが、同様に感じた方が多かったのかもしれません。
「天然ガス市場の革命「シェールガス」」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-01-15-1 採掘技術の進歩で、これまで利用できなかった天然ガスが利用可能になるとの話ですが、エネルギー問題がマスコミで話題になる度にアクセス数が急増します。
「国民幸福度1位のブータンをご存じ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-19 GNH(国民幸福度)なる指数を国別に算出したら、ブータンという表面上貧しい国が1位になったという話。何が幸せなのか・・・を考えさせる話題で、今でも継続的にアクセスがあります。
「「バリアーあり」の老人デイケア施設」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-10-16 一般的には「バリアフリー」が介護等の常識ですが、「バリア有り」で入居者を元気にし、院内紙幣を発行して商売させる老人施設の話です。
日本の安全保障は、大きなパラダイムシフトのタイミングを迎えつつありますが・・・皆様・・・今後とも気軽におつき合い下さいませ・・・。Holyland
コメント