久々にF-35の話題です。
ロッキードマーチン社が公表した映像によると、6日空母艦載用F-35Cが初飛行を行いました。具体的な飛行時間や試験の中身は不明ですが、脚を出したままの「安全運転」の映像が公開されており、基礎的な飛行特性を確認したモノと考えられます。CF-1との呼称で呼ばれていますので、全くの初期モデルなのでしょう。
素人目には、「いくら何でも、もう少し綺麗に機体を塗装しろ!」、「公開する映像なんだから、もう少しかっこいいところを・・」と言いたくなりますが、初飛行ですから色々なコンピュータ制御を掛けないで、人間が完全に操縦しているのかもしれません。戦闘機は、もともと機動性を高めるために不安定に作ってありますから!
32秒の短い映像ですが、ご覧下さい。
2年あまり遅延しているF-35ですが、昨年シンクタンクCSBAの研究者から空軍参謀総長特別補佐官に命ぜられたトーマス・エアハード(Thomas P. Ehrhard)によるレポート「An Air Force Strategy for the long haul」に中では非常に厳しい扱いになっています。
レポートは昨年9月17日にCSBAのサイトで公表されたモノですが、前日の9月16日にゲーツ長官が空軍協会で空軍への宣戦布告を行った(記事「米空軍へ最後通牒」)演説で、レポートと同様のラインで話をしたことからも関連が明らかです。
Ehrhardは米空軍の戦闘機調達に関し同レポートの中で・・・
●本レポートの結論の一つとして、現行の米空軍将来計画の装備体系は、ローエンドや不正規戦に対してあまりに上等で高価すぎ、同時に予想されるハイエンドの挑戦への対応には能力不足である。例えばF-35は、ローエンドには過剰装備であり、一方でハイエンド環境では必須の航続距離が足りない。
●上記及び他の優先度の高い分野への予算確保のため、F-35については現行の1763機調達から、約半分の858機で十分ではないかと考える。
●足の短い非ステルス戦闘機は今後20年間のうちにA2AD環境での使用が困難になり、非正規戦には過剰装備となる。従ってファイターギャップ(戦闘機不足)を埋め合わせる調達に関しては、経費面や有効性がクリアできなければ必要性は低い。
F-35の運命やいかに・・・
「ゲーツ長官が空軍へ最後通牒」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2009-09-17
「(番外編)CSBA中国対処構想」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-02-1
「嘉手納から有事早々撤退?」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13
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