20日、米ランド研究所が「中国空軍の能力進展」と題した証言を米議会経済安全保障委員会で行い、過去10年間の変化を説明しました。
その概要は・・・
●中国の「空軍(航空戦力)」は複数存在する。というのは、空軍と海軍がそれぞれに航空戦力をもち、弾道ミサイル部隊と地対空ミサイル部隊も別々に別に存在するからである。
●2000年には3200機あった戦闘機が、現在は半分の1600機である。しかし00年当時75機だった4世代機が今では4倍になっている。
●中国は現在、F-16と同等の単発エンジンJ-10を生産しており、また双発でF-15より優れると言われる大型戦闘機J-11Bを生産している。噂がある中国の5世代機については、モックアップの写真が存在するだけで、写真から類推するとF-22やF-35ほどのステルス性はないと考えられる
●中国空軍は精密誘導兵器(BVR、レーザーやTV誘導爆弾等)を導入した。またE-2cやE-3に相当する空中警戒管制機も生産している。
●空中給油や長距離爆撃機は未確認である。中国の爆撃機は依然として艦艇攻撃用の(比較的)短距離攻撃用であり、80機のJH-7と40機のH-6Hが対艦ミサイルを装備している。
●中国軍の攻撃力で、過去10年間で正に増強が著しいのは、第2砲兵の弾道ミサイルである。弾道ミサイルは、防御が非常に難しきなってきており、特に同時射撃の際は困難で、また数分で到達することからも、ステルス機と同様の突破力と奇襲性を持っている。
●中国は大量にBMを保有しているが、実際に使用可能と見るべきである。中国の同ミサイルは千トンの爆発物を投射できるが、米空軍は航空戦力で毎日投射可能で、かつ正確性がそれ程では無いBMより、JDAM等は正確に投射できる。
上記ランドレポートの関連記事として「Defense Tech」は、中国による外国戦闘機のリバースエンジニアリング生産には重大な問題がありそうだと報じています。
●中国軍は、Su-27のライセンス生産である16機のJ-11B戦闘機の受け取りを、機体の異常振動を理由に拒否した。
●4月22日、過去2年間で2件目のJ-10戦闘機墜落事故が発生し、ベテランパイロットが死亡した。当局は事故を隠そうとしたが、死亡した上級大佐の葬儀が大規模になり隠し通せなかった模様。200機生産されたJ-10が当初の設計通り生産されていないとの報道もある。
CSBAのレポートが弾道ミサイルでやられたら米の航空戦力が使用できなくなる、と主張している一方で、ランドは米空軍「命!」ですから米空軍は優秀だと主張しています。お里が知れますね・・・シンクタンクも・・
中国の戦闘機については、中国ですから、慎重に見極めることも必要ですね・・。
「CSBA中国対処構想」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-18
「(その6)CSBA中国対処構想」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-24
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