Google中国撤退の背景は業績

ITO NIKKEI.jpg23日にラジオ日経で放送され、Podcastで配信された「伊藤洋一のRound Up World Now!」から、表記の話題を取り上げます。Holylandは専門家ではないので、内容の真偽のほどを判断出来ませんが、極めて判りやすい分析で、そんな所なんだろうなぁー・・・と思わせてくれる解説だったので紹介します。
伊藤洋一さんは、ご存じ住信基礎研究所主席研究員で60才、時事通信社のニューヨーク特派員等13年ほど勤務の後、住友信託銀行に86年入社、その後98年に現職に就いた方です。結構奔放な話し方のように見えて、大人の気配りが随所にあって、安心して聞ける感じです。
23日の放送では、富士通総研主席研究員の中国経済専門家である柯隆(かりゅう)さんと対談形式で番組が進められました。
伊藤さんと柯さんのGoogle中国撤退に関する見方は・・・
voiceかりゅう.jpgGoogleの中国でのシェアは2割程度で、トップの百度(Baidu)が6~7割シェアを抑えている点からしても苦しい戦いを強いられてきた。近々迫っている決算においても中国責任者は良い報告が出来ない見通しを持っていた。サイバー攻撃を受けた点や検閲の問題は背景にあるものの、基本的には業績改善が望めないことが撤退の一番の原因である。
●一時期、クリントン国務長官までが検閲の問題に言及するような発言が見られ、政治問題化が懸念されたが、今は収まっている。基本的に業績や将来成長の見通しからの企業判断であった事が徐々に明らかになってきたからであろう。
googlebaidu.jpg●Googleが中国のシェア争いで百度(Baidu)に大きく水をあけられている背景には、確かにYouTubeが利用できないことがある。しかしもう一つの観点、つまり中国文化圏にあったコンテンツや検索サービスを提供できなかった事の重要性を忘れてはいけない。実際に中国でGoogleと百度の検索サービスを比較してみると、圧倒的に百度の方が優れている。サービス開発に携わる要員の数も百度が勝っている。中国での利用者のニーズを的確に掴めなかったのである。
百度(baidu)は以前から日本にも進出しているが、日本でのシェアは1%程度しかない。これは中国でのノウハウが日本では通用しないことを示している。同様にGoogleは、欧米や日本でのノウハウを生かして中国へ進出したが、結局中国人の心をつかめなかったのである
GoogleChina2.jpg中国では第3次産業が未発達で労働力を吸収できていない問題の紹介もあり、中国で製造業の次に乗り込むとして何が出来るのか考えさせられました。
中国企業が日本の家電量販店「ラオックス」を買収し、その販売ノウハウを中国流に活用しようとしている所などが参考になるかもしれません。
サイバー攻撃の件は、米軍サイバーコマンド司令官候補者のアレクサンダー中将が「攻撃を受けたら、相手が特定できなくても反撃する」可能性に言及したとの報道もあり、その際、米特殊部隊が攻撃に利用されたサーバーを破壊又は奪取するとの見通しを述べる専門家も現れ、今後が注目です。
「嘉手納から有事早々撤退?」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13
「ゲーツ長官が国防省と議会にも宣戦布告」
  → http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09

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