以下のHTV-2記事のその後については
→「対中国もう一つの柱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-03-03
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オバマ大統領の核削減(廃絶)に向けた切り札、PGS(Prompt Global Strike)を支えるCSM(Conventional Strike Missile)の弾頭HTV-2の試験が先週22日に実施され、失敗に終わりました。より正確に表現すると、開発と試験を担当しているDARPA(国防省高等研究庁)によれば、発射には成功したようですが、予定されていた30分間で4千マイルの飛翔の内、9分間だけしか信号が受信できなかった模様です。
今回の試験は、核弾頭に変わる弾頭となる部分の耐熱性や運動性能を確認するもので、HTV-2(Hypersonic Technology Vehicle 2:通称Falcon)と呼ばれる弾頭部分をMinotaur 4とロケットの先端に取り付ける形で初めて行われました。
予定では、カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地から発射され、ハワイの南西約2千マイルの海上に着弾する予定だったようです。
成功ではなかった旨を伝えるFoxNews26日版によると、巡航ミサイルトマホークより7倍早く、最終的には音速の20倍で得られる運動エネルギーを一点に集中して破壊力にするか、上空で分割して破片で面を制圧するかのパターンがあるようです。核弾頭を使用しない点と発見からインパクトまでの時間を短縮して目標を逃さない点で期待を集めているところです。
地球中のどの地点も1時間以内で攻撃できる・・・例えば、ビンラディンであったり、北朝鮮やイランの移動式弾道ミサイルが念頭にあるようです。
この辺りは数日前の記事「核抑止の代替?CSMについて」でお伝えしたとおりです。
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-04-25
「オーロラプロジェクト」と言われるPGS計画ですが、今回と同パターンの試験はもう一回計画されており、次回は2011年初頭の予定だそうです。最終的な姿はDARPAによる図のようなイメージ(下の図)で部隊配備は2015年。間に合うのでしょうか??
核搭載の巡航ミサイルが廃棄される中、極東の抑止力として期待されるところですが、実現の見通しは・・・、もう少し見極めが必要でしょう・・・。
それにしても先週は、超極秘ミッションであるX-37Bの打ち上げ試験も行われるなど、新兵器マニアにとっては想像力をかき立てられる一週間でした。
「嘉手納から有事早々撤退?」
→ http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-05-13
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