29日、国防省高官がバックグランド情報と断りながらも、パキスタン軍が4万人規模の兵力で、アフガンとの国境に近い北部ワジリスタン地域でタリバン掃討作戦を行っていると語りました。
同高官は、現行の作戦は昨年の南部ワジリスタンでの作戦よりも、小規模で小さな作戦の組み合わせであるが、カヤニ陸軍参謀総長が米パキ戦力対話等で言及していた事を着実に実行していることを示し「強い感銘を受けた」と語りました。(写真はカヤニ総参謀長とゲーツ長官の先週の対話)注意:パキでは陸軍参謀総長が国防大臣や統合参謀長より権力があり、下手をすると首相よりも大統領よりも力があります。
先週行われた米パキ戦略対話については、茂田宏氏のブログ記事を引用させていただきます。外相、国防省の他、教育、農業や産業関係者等々も参加した力の入れようだったようです。米側としても成果をアピールする必要があるのでしょう。
(茂田宏氏のブログ「国際情報センター」記事の要旨)3月24-25日、米・パキスタン戦略対話が開催され、クリントン米国務長官とクレイシ・パキスタン外相は、高級レベル代表団とともにワシントンで会合した。この米・パキスタン戦略対話には、パキスタン側からカヤニ陸軍参謀長が参加し、米側からはゲーツ国防長官、マレン統合参謀本部議長も参加した。
以前から両国間には対話があったが、米とパキスタンが両国の包括的協力を拡大深化し、友好関係をさらに強めるために、戦略対話は閣僚レベルに格上げされた。
実務レベルの政策運営グループが、経済と貿易、エネルギー、防衛、治安、戦略的安定、不拡散、法執行と対テロ、科学と技術、教育、農業、水、保健、通信、広報外交の広範な分野での協力を強化し拡大するために設置された。分野別会合はまもなくイスラマバードで開かれる。
3月25日付ワシントン・ポスト紙は「パキスタン、支援についての米の約束に“満足”」という見出しで、また3月26日付ニューヨーク・タイムズ紙は「米とパキスタン、戦略的紐帯の強化で合意」と言う見出しでこの会合のことを報じている。
米・パキスタン関係には・・・
●米には、パキスタンがタリバンを十分に取り締まらず、テロとも十分に戦おうとしないなどの不満
●パキスタンには、米がインドとの関係を重視し過ぎる、インドをアフガンに引き入れているなどの不満
との相互不信があったが、今回、米側はパキスタン側の要請をよく聞き、それに出来るだけ応じて関係のレベル・アップを目指したと思われるが、米・パキスタン関係の改善という一応の成果が得られたものと思われる。(以上「国際情報センター」より)
写真は29日ペンタゴンで岡田外相とゲーツ長官が会談した様子の国防省HP写真です。日本人がゲーツ長官と会談する、日本人の陪席者が多くなり、米側も人が増えますね・・。米側は通訳のおばちゃんの他に左からキャンベル氏、ミラー政策担当筆頭次官補代理(赤ネクタイ)、ミッチェルアジア大平洋担当筆頭次官補代理です。
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